中国GDPの回復ペースが鈍化
中国国家統計局は15日、今年4~6月期のGDP国内総生産が前年同期比で7.9%の伸びを記録したものの、回復ペースが鈍化していることを明らかにしました。
米CNNによりますと、同局は15日木曜、「成長ペースは過去最高となる18.3%の伸び率を記録した1~3月期から大幅な減速となった。この時は新型コロナウイルス感染拡大による前年の落ち込みの反動で上振れする『低ベース効果』が働いたとみられるが、4~6月期の成長率は市場予想をやや下回る結果となった」と表明しています。
中国経済は、輸出の好調や政策支援によりコロナ禍の低迷から急速に回復していますが、ここ数カ月間のデータでは、回復の勢いが若干衰えていることがうかがえます。
その背景としては原材料価格の高騰や供給不足、大気汚染対策の規制などが産業活動を圧迫していることに加え、新型コロナの感染が小規模ながらも続いていることも個人消費を抑制している実態が指摘されています。
また、ロイター通信が15日、北京から報じたところによりますと、中国の上半期のGDPは前年比12.7%増加し、やはり予想よりも緩やかな成長となり、1─3月期GDPの前期比伸び率は0.6%増から0.4%増に改定されています。
中国国家統計局の劉愛華報道官は会見で「国内経済の回復は一様ではない」とした上で、「新型コロナの世界的な流行が続いており、外部の不安定要素や不確実性が多数ある」と警戒感を示しました。
さらに、中国税関当局は今週、新型コロナを巡る不透明感などにより下半期は貿易の伸びが鈍化する可能性があるとの見方を示しています。
一方、景気回復の勢いを失いつつある状況でもなお、経済規模で世界2位の中国の成長率は今年、依然として目標とするプラス6%を上回るとみられています。
これに関して、キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏はリポートで「今年後半は成長への向かい風が強まる公算が大きい」と予想しており、「中国の新型コロナ輸出ブームはピークを過ぎたようだ。ワクチン接種が進み経済再開で世界の消費動向が正常化するため、今後数四半期で解消されるだろう」と分析しました。
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