英国郵便局スキャンダル事件:13人の命を奪った惨事
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公的調査による衝撃的な報告書から、英国郵便局の幹部ら13人が窃盗の冤罪で後に自殺したことが明らかになりました。
(last modified 2025-07-19T07:47:23+00:00 )
7月 15, 2025 19:30 Asia/Tokyo
  • 英郵便冤罪事件で自殺者13人
    英郵便冤罪事件で自殺者13人

公的調査による衝撃的な報告書から、英国郵便局の幹部ら13人が窃盗の冤罪で後に自殺したことが明らかになりました。

1999年から2015年にかけて、英国郵便局の約1,000人の管理職が、資金不足の罪で不当に告発されました。
【ParsToday国際】フランス第24チャンネルによりますと、英国郵便局の会計システムとして使用されていた富士通のホライズン(Horizon)システムが、実際の現金残高よりもシステム上の残高を多く表示するという事態が発生しました。この不具合により、郵便当局からの圧力で郵便局長自らが補塡(ほてん)したり、払えずに刑事訴追されたほか、投獄され、家族が破産する事態に至りました。
この事件の主任捜査官ウィン・ウィリアムズ氏は、「この冤罪事件が13人の自殺につながった可能性は十分にある」と述べています。また報告書では、10人が自殺を試み、59人が自殺を検討したことが確認されています。

 

痛ましい証言
英国郵政公社の元社長ジョー・ハミルトン氏は、「この報告書は、我々に課せられた不当な扱いを明らかにした」と述べました。また元郵政公社最高経営責任者(CEO)ポーラ・ヴェネルズ氏も、3万9000ポンドの罰金刑を言い渡された後に自殺した管理職の事件を想起し、法廷で涙を見せています。

 

致命的な隠蔽工作
ウィリアムズ捜査官は「郵政公社の幹部はシステムエラーを認識していたものの、隠蔽した」と認めました。2010年にソフトウェアが変更された後も、相当数が依然として訴追されていました。

 

遅延する正義の実施
富士通が「甚大な不当行為」を認めたにもかかわらず、多くの被害者は未だに補償を受けていません。これまでに、1万1208件の請求のうち、支払われたのはわずか7569件にとどまっています。正義を求める闘いの主要人物であるアラン・ベイツ氏は、この手続きを「芝居的裁判」と呼んでいます。
このスキャンダルは、2024年に連続テレビドラマが放映された後に再び注目を集めました。警察は現在、詐欺容疑でこの事件を捜査しています。一方で、新郵政大臣は補償の迅速化を約束しましたが、被害者の遺族にとっては既に手遅れとなっています。
 

 


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