9月 23, 2022 14:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「炒めた玉ねぎを増やす」です。

この表現は普通、~の炒めた玉ねぎを増やす、という形で使われることが多く、ペルシャ語での読み方は、Piyaaz-e daaghe-sh raa ziyaad kardan となります。

このことわざは特に、何かあることについて誇張する、特にその悪い点やマイナス面などを大げさに言う場合に使われることが多いようです。

たとえば、自分の家族や所属する組織団体などの内輪事情を外部の人に話す場合、あまりほかの人に知られたくない事情を大げさに誇張すると、ほかの内部の人物から、「炒めた玉ねぎを増やすな」と釘を刺しているのを聞いたことがあります。

イラン料理では肉を野菜や豆類などと一緒にじっくり煮込む場合に、玉ねぎをまず炒めてから肉の表面を炒めます。また、メニューによっては盛り付けの際に装飾や付けあわせとして炒めた玉ねぎを加えることが多くなっています。しかし、いずれの場合も「炒めた玉ねぎ」は必要不可欠ではあっても、あくまでも脇役、隠し味であって、決してメインとなる食材よりも量が多くなってはいけません。

このことから、「炒めた玉ねぎを増やす」という表現が、特にあまり好ましくない事柄をあえて誇張するという意味で使われるようになったと思われます。

確かに、日常生活におきまして何かについて話す場合、事実として決して忘れたり否定できない事柄ではあっても、わざわざそれに触れたり、あえて誇張する必要はない場合は多々あるかと思われます。そのような場合に、イラン人はこの表現を使っているようです。

以上、今回はイラン料理にまつわることわざをご紹介しました。それではまた。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     Youtube     urmediem


 

タグ