3月 13, 2024 20:14 Asia/Tokyo
  • 右からネタニヤフ首相とその妻、レザー・パフラヴィーの妻ヤースミーン、レザー・パフラヴィー
    右からネタニヤフ首相とその妻、レザー・パフラヴィーの妻ヤースミーン、レザー・パフラヴィー

世界の人々はこの数カ月の間、シオニスト政権イスラエルが行う野蛮なパレスチナ・ガザへの攻撃を非難していますが、そのような中で反イラン勢力は、西側の政治家らとともにシオニスト政権イスラエルを支持しています。

反イラン勢力は、1979年のイラン・イスラム革命によって打倒された旧パフラヴィー王朝の最後の王である故モハンマドレザーの息子・レザーを支持する団体です。

レザー・パフラヴィーの支持者たちは、さまざまなデモ行進でパフラヴィー王朝時代の古いイラン国旗を振り、さらに、シオニスト政権と同政権のネタニヤフ首相への支持も表明しています。

イラン王政復古主義者らが取る攻撃的戦略は、ガザ戦争の開始以降に多くのパレスチナ支援活動家たちを憂慮させており、実際、NUFDI・イラン民主化全国連合などのアメリカの親パフラヴィー・ロビー団体は、パレスチナ支援活動家を威嚇する動きを見せています。

レザー・パフラヴィー支持者がパレスチナ支持者と対立している様は、パレスチナの持つ理念を歴史を通じ支持してきたイランの基本思想からは、大きくかけ離れたものです。

反イラン勢力はまた、イラン国民への厳しい制裁を増加させるなどの、アメリカによる攻撃的な対イラン・アプローチも支持しています。

1979年までイランを統治していたパフラヴィー朝最後の王、モハマドレザー・パフラヴィーは、シオニスト政権イスラエルと友好的な関係を築いき、エネルギーや安全保障面で同政権と協力していたほか、冷戦時代も完全にアメリカ側に与していました。

 

 パフラヴィー朝最後の王、モハンマドレザー・パフラヴィー

 

彼らはイスラエル政権を自分たちにとって重要なパートナーだと考えており、モハマドレザーの息子のレザーとその支持者らも近年、同政権に近付こうと目論んでいます。

このような姿勢は、2023年4月にレザー・パフラヴィー夫妻がイスラエル政権占領地を訪問し、同政権のネタニヤフ首相およびギラ・ガムリエル情報相に温かく迎えられた後に、より明白かつ色濃いものとなりました。

 

右からイスラエルのガムリエル情報相、レザー・パフラヴィー、ネタニヤフ首相の妻、ネタニヤフ首相

 

米ワシントンでイスラエル政権支持デモに参加するレザー・パフラヴィーの妻ヤースミーン

 

レザー・パフラヴィーとネタニヤフ首相が行った会談には、レザー・パフラヴィー顧問のアミールホセイン・エェテマーディーおよび、米ワシントンDCに本拠地を置く右派シンクタンク・FDD・民主主義防衛財団のサイード・ガーセミーネジャード氏も出席しました。

 

レザー・パフラヴィーの顧問アミールホセイン・エェテマーディー

 

FDDのサイード・ガーセミーネジャード氏

 

騒動を起こすこのような者たちは、その反パレスチナ的なものの見方と、イランの政治構造に対する挑発的姿勢のために、イラン国民から嫌悪の念を向けられています。

彼らはさらに、イランに対し制裁だけでなく軍事攻撃の実施も望んでいるほか、「パレスチナに死を」というようなツイートも行っています。

レザー・パフラヴィーはまた、イスラエル政権占領地でFDDのマーク・デュボウィッツ代表とも会談し、そのために、アメリカ国内のメディアとイスラエル政権支持団体から、さらなる注目を向けられるようになりました。

 

マーク・デュボウィッツFDD所長と会談するレザー・パフラヴィー

 

王政復古主義者らはこのほか、イランで昨年騒動が起きた際、「女性、人生、自由」というスローガンを掲げて、同国社会の安定に害をなそうともしました。

このように、イラン王政復古主義者らは実のところ、イラン国民の理念とはほとんど共通する点を持ちません。彼らは、イスラエル政権やアメリカの戦争を追い求める因子や介入主義者の傍らにいて、イラン政府の転覆を目指しているのです。

彼らのアプローチは、法的正当性を持たず有効でないばかりか、彼らがイラン国民の抱く民主主義的な理想を無視している様を示していると言えます。

 

 


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