4月 01, 2024 19:31 Asia/Tokyo
  • 国民投票によるイラン・イスラム共和国成立
    国民投票によるイラン・イスラム共和国成立

「イラン・イスラム共和国の日」に制定されているイラン暦1403年ファルヴァルディーン月12日(西暦2024年3月31日)は、国家の栄誉実現と革命に賛同した人々による国運決定の中で偉大なイラン国民が示した望みと意志が実際に形となった日です。

ファルヴァルディーン月12日はイランの偉大な国民にとって、独裁体制との闘争が結実した日と言えます。

この記事では、イスラム革命勝利後のイランで行われたイスラム共和制樹立をめぐる国民投票がたどった流れについて取り上げます。

 

1- 暫定政府の樹立

イラン・イスラム革命創始者のホメイニー師が帰国した5日後のイラン暦1357年バフマン月17日、メフディー・バーザルガーンが同師によって暫定政府樹立の責任者に任命されました。

イスラム革命勝利後の暫定政府が行うべき責務の一つには、新たな政治体制を国民の意思によって決める国民投票の実施であり、これは世界の歴史の中でも前例のない出来事でした。

 

2- イスラム共和制の選択

イラン暦1358年ファルヴァルディーン月10・11日(西暦1979年3月30・31日)、イスラム共和制という政治体制を承認するか否かを問う国民投票が、イラン全土で実施されました。

イスラム共和制をめぐる国民投票に大規模に参加するイラン国民

翌ファルヴァルディーン月12日に発表されたこの国民投票の結果では、有権者の98%以上がイランでのイスラム共和制樹立に賛同しました。

イスラム共和制をめぐる国民投票に大規模に参加するイラン国民

 

ファルヴァルディーン月12日はそこから、イランにおいてイスラム共和制の日に制定されました。

 

3- ホメイニー師のメッセージ

ホメイニー師は、この歴史的出来事かつイラン国民の永遠に残るような英雄譚に対し発表したメッセージで、次のように述べました;

「ファルヴァルディーン月12日は、『アッラー』の治世の初日であり、我々の宗教的・国家的祝日の中で最大のものの1つだ。我々の国はこの日を祝い、生かし続けるべきである。 偶像崇拝者の政府による2500年続いた宮殿からの統治は崩れ去り、悪魔の支配が永遠に終わった後、神の政府、つまり抑圧された人々の政府が置き換わった。至高なる神は我々に恩恵を与え、傲慢な政権を、抑圧された人々の偉大な力という自らの力強い御手で壊し、我々の偉大な国民を抑圧された諸国民のイマームおよび指導者として、『法に適った継承』による『イスラム共和制』の樹立を彼らに授けた」

 

4- イスラム共和制という概念

イスラム革命の勝利により、その指導者ホメイニー師は、神と人々の法を一つの政府に統合するという理論を提唱した上で、イスラム共和制という形で世界に示し、人々や知識人の歓迎を受けました。

「共和」という言葉は大衆による共同・和合を意味し、革命後の体制にそのような言葉が含まれたことは、それが人々に寄り添っていること、そして、国民の意見が自らの運命に反映されることを示しています。

さらに、「イスラム」という言葉も、新たな体制が他の共和制とは違い、主権に神およびコーランの価値観を体制実施において導くことが示されています。

イスラム共和制では、国民個々の意見が尊重され、イスラム教徒たる国民の中から誕生した統治者たちが、社会福祉を含むイスラム教の理想の実現に努めることになりました。

ホメイニー師亡き後、第2代最高指導者に任命されたハーメネイー師は、これらの点やイスラム共和制という言葉を説明する際、次のように語っています。

「イスラム共和制という言葉は、その意味に2つの基盤を持っている。ひとつは、人々による共和制、つまり、国の運営や政府の構成を決定するのが国民であるということである。もう一つは、イスラム教、つまり、このような人々の動きがイスラム教の思想および法に基づいているということである。これは、ごく自然なことだと言える。国民の大多数がイスラム教徒、それも、時代を通じてイスラム教への自身の深い信仰を証明してきた信心深く行動的なイスラム教徒である国では、人々に寄り添った政府とは、イスラム教の政府なのである」

 

5- 世界に及ぼした影響

イラン暦1358年ファルヴァルディーン月12日にイラン・イスラム共和国政府の樹立が発表されたことは、世界の圧政下にある諸国の間に思想・行動の芽吹き・繁栄をもたらしました。

イラン・イスラム革命は実際、西側モデルや共産主義モデルに落胆・失望していた人々に、宗教を基盤とする新たな社会の構築に向けた強い意思と思想を与えました。

世界で圧政にあえぐ権利を剥奪された人々は、一神教の教えと国全体の意志という支えがあれば、イランのように、問題に打ち勝って思い通りの人々に寄り添う政府の樹立が可能であると理解しました。これはまさに、イスラム教の聖典・コーランでも触れられている、傲慢な者に対する抑圧された人々の勝利の約束そのものだと言えます。

 


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