イラン大統領:「国際社会は侵略者に対しより責任ある行動をとるべき」
(last modified Sat, 28 Jun 2025 05:34:55 GMT )
6月 28, 2025 14:34 Asia/Tokyo
  • イランのマスウード・ペゼシュキヤーン大統領
    イランのマスウード・ペゼシュキヤーン大統領

ペゼシュキヤーン・イラン大統領が「12日間の戦争中、イラン軍は国連憲章第51条に基づき、わが国の名誉ある国民、国家主権、そして領土保全を正当に防衛した」とし、「もしシオニスト政権イスラエルの侵略が報復されなかったら、地域において広範囲かつ制御不能な戦争に発展していた可能性があった」と語りました。

【ParsTodayイラン】イルナー通信によりますと、ペゼシュキヤーン大統領は27日金曜、ベラルーシ首都ミンスクで開かれたEAEUユーラシア経済連合首脳会合にオンライン参加し、「シオニスト政権イスラエルは今月13日以降、イラン・イスラム共和国に対し残虐な侵略行為および違法なテロ・武装攻撃を開始した」と述べています。また「この侵略行為は、アメリカとイランが同国の平和的核開発計画について間接交渉を行っている最中に発生し、その過程においては平和目的で稼働するわが国の核施設も攻撃された」と付け加えました。
さらに「IAEA国際原子力機関の全面的な監視下にあるイランの平和的核施設に対する米国とイスラエルの軍事攻撃は、すべての国際法規範への重大な違反であり、国連安保理の常任理事国の1つが核拡散禁止政権の地位に与えた取り返しのつかない打撃であると考えられている」としています。
加えて、「イスラエル政権による今回の対イラン攻撃では軍事作戦地域外の軍隊、大学教授、一般市民に対する一連の違法かつ犯罪的な作戦が行われた」とし、「住宅地、公共インフラ、病院、医療センターに対するこれらの攻撃で多数の民間人が殉教した他、多数が負傷した」と指摘しました。
そして「12日間にわたるこの押しつけられた戦争において、イラン軍は国連憲章第51条に基づき、自らの名誉ある国民、国家主権、そして領土保全の正当な防衛に従事した。一方、シオニスト政権の侵略が放置されていたならば、地域で広範囲かつ制御不能な戦争に発展していた可能性があったと語っています。
続けて「国際社会、特に国連安保理とIAEAは、侵略者や戦争を扇動した者に対しより責任ある態度を取るべきだ」と述べました。
ペゼシュキヤーン大統領はまた「組織的かつ度重なる人権侵害に関しての対イスラエル宥和政策を放棄すべきことは、今やかつてないほど明白である」とし、「責任をもってこれらの露を非難したすべての国々に感謝する必要があると考えている。きょう27日のEAEU首脳会合は、こうした侵害および、それらが世界に及ぼす地域・国際的な脅威を断固として非難する、という当組織の加盟国共通の立場を伝える貴重な機会でもある」とコメントしています。
さらに「イラン・イスラム共和国は地域的経済関係において、常に効果的かつ信頼できるメンバー・パートナーとなるよう努めてきた。イラン・ユーラシア経済連合自由貿易協定の実施は、この地域における経済関係の深化に向けた重要な一歩でり、この協定は、締約国の国民経済と通商関係者にとって他に類を見ない機会を提供するものである」と語りました。
そして「前回のEAEU首脳会合においてイランにこの組織のオブザーバー資格を付与する決定がなされたことに謝意を表する。この決定は、EUの経済活動におけるイランの存在感をより広範かつ効果的に高めることにつながる」と述べています。
加えて「輸送分野では、既存の鉄道と街道が形成する回廊の開発と近代化、航空輸送の強化、共同特別区の設定、イラン港湾の輸送能力を活用したEAEU加盟国の世界市場への接続が検討されている」と述べ、「エネルギー分野では、生産者と消費者の協力、および地域のエネルギーネットワークを結びつける既存の能力の活用が我々の関心事である」と付け加えました。
続けて「新興技術分野では、デジタル技術分野での協力強化および、情報交換や新たな貿易の促進に必要なインフラの構築、AI人工知能の組織化、そしてこの分野における一極主義に対抗するための共同の取り組みにより、我が国の国家・集団的能力が向上すると思われる」としています。
このほかにも「制裁に対抗できる独立した銀行インフラの創設なしには、FTA自由貿易協定への同意のメリットや可能性を完全活用は確実に難しくなる。この点について、EABRユーラシア開発銀行による共同インフラ・産業プロジェクトへの融資、関心のあるオブザーバー国へのEAEUの金融循環システムの拡大、そして自国通貨による決済システムの導入などが議題となる可能性がある」とコメントしています。
ペゼシュキヤーン大統領は最後に「我々は地域統合の成功モデルを示し、この歴史に残る機会を共通の成長に向けた転換点に繋げることができると確信している。未来とは、協力と相互信頼を通じて進歩発展への道を切り開く諸国のものである」と結びました。

 


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