6月 11, 2022 14:40 Asia/Tokyo
  • 岸田首相
    岸田首相

岸田首相が、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で基調講演を行い、平和のための新たな構想を発表しました。

日本の報道各社によりますと、シンガポールを訪れている岸田首相は、アジア・太平洋地域の安全保障について各国の防衛相らが意見を交わす「アジア安全保障会議」に、日本首相としては8年ぶりに出席し、10日夜から基調講演を行いました。

この中で岸田首相は「日本、アジア、世界に迫り来る挑戦と危機にはこれまで以上に積極的に取り組む」と述べ、インド太平洋地域の平和秩序の維持・強化に向け「平和のための岸田ビジョン」という構想を発表しています。

また、ロシアによるウクライナへでの特殊軍事作戦について、世界のいかなる国・地域においても対岸の火事ではないと指摘し、中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル活動を踏まえ「さまざまな問題の根本には国際関係における普遍的なルールへの信頼が揺らいでいる状況がある」と述べました。

さらに、各国との安全保障協力も積極的に進めるとして防衛装備品の移転について、シンガポールとの間で、協定の締結に向けた交渉を開始する意向を表明するとともに、ASEAN各国と引き続き協定の締結を進める考えを示しました。

また被爆地・広島が選挙区の首相として「核兵器のない世界」に向けた取り組みを進めると強調し、すべての核兵器国に対し、核戦力の情報開示を求めていくとともに米中2国間で核軍縮に関する対話を行うことなどを各国と後押しすると強調しています。

このほか、安保理改革を含む国連の機能強化に向けた議論を主導するほか、経済安全保障の強化に向け、ASEAN諸国と今後5年間で100を超えるサプライチェーンの強じん化プロジェクトを進めることを明らかにしました。

一方、岸田首相の基調講演について、中国軍のシンクタンク、軍事科学院で副院長を務めた何雷氏が記者会見し「中国がルールを破ったり、武力や実力を行使して現状を変更したりしていると暗示するものだ」と指摘したうえで「もし、国の指導者が公の場で中国の主権や核心的利益を攻撃するなら、我々は完全に反論できる」とけん制しています。

 


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