2月 01, 2024 21:44 Asia/Tokyo
  • イスラエルはなぜレバノンに繰り返し脅しをかけるのか?
    イスラエルはなぜレバノンに繰り返し脅しをかけるのか?

シオニスト政権イスラエルのヨアヴ・ガラント戦争相は、「パレスチナ・ガザで起きたのと同様の出来事が、レバノンでも繰り返される可能性がある」と主張しました。

シオニスト政権イスラエルガザに対し行う戦争が始まってから4カ月が経とうとしています。同地区ではこの間、パレスチナ人2万6600人超が殉教し、約6万6000人が負傷しました。

ガザでは、連日行われる爆撃の結果、インフラが完全に破壊されて人々の生活場所が事実上失われた上、虐殺で多くの人々が殉教しています。さらに、一部のシオニスト政権当局者はこの数日、レバノンが全面攻撃の対象となる可能性があると、たびたび警告しています。

ここで浮かび上がる大きな疑問は、なぜシオニスト政権がレバノンに対して「ガザでのシナリオを繰り返す」と幾度も強調しているのかということです。

その第一の理由は、シオニスト政権がこの4カ月間に北方からの攻撃で大きな打撃を受けていることにあります。

レバノンのシーア派組織ヒズボッラーの軍は、シオニスト政権の占領地に対して攻撃を繰り返し行い、多数のシオニスト兵を負傷させ、多大な経済的ダメージを与えました。そのため、シオニスト政権はレバノンを全面攻撃で脅すことで、北方の戦線で受ける攻撃の停止を期待している、もしくは、彼らが攻撃を行い同政権に対する戦争を始めた場合には重大な結果がもたらされるというメッセージを伝えようとしているのです。

レバノンのシーア派組織ヒズボッラーの軍

第二の理由は、シオニスト政権が、あらゆる種類の犯罪を行って大量虐殺も辞さない狂った存在であるように自身を見せようと努めているためです。

同政権は、このような自身のイメージを打ち出すことで、この先の脅威を排除することを目論み、さらに、国際司法裁判所の判断をはじめとした国際社会の決定に注意など向けない姿勢をアピールしているのです。

第三の理由は、シオニスト政権がガザ戦争で自身の軍事的目的を遂げられる望みが薄くなったために、レバノンに警告して可能な限り軍事行為に移していくことで、西アジアという地域レベルにまで拡大し、地域外勢力をも戦争に引き込もうとしているためです。

ガラント戦争相が行った、「(問題が)政治的に解決される可能性は減り続けており、我々の忍耐が限度に達してガザで見ているような事がレバノンでも繰り返されうる段階に到達することだろう」という発言は、このような流れに沿ったものなのです。

第四の理由は、シオニスト政権が、ヒズボッラーを脅迫したり同組織との戦争を示唆したりすることでレバノンの国内情勢をぐらつかせ、さらに危機の激化によりレバノン国内の世論を反ヒズボッラーへ煽ろうとしているためです。

最後に、一部のシオニストらが、「ヒズボッラーはイスラエル政権に心理戦を仕掛けており、自身の手の内を全て見せてはいないことから、レバノンに対する戦争開始は、イスラエル政権にとってガザのような結果となるだけでなく、より重大な影響も与えうる」と警告していることも、指摘されるべき点として挙げておきます。

 


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