ペルー憲法裁、富裕層と貧困層を分断する「恥の壁」撤去を命令
12月 31, 2022 20:09 Asia/Tokyo
ペルーの憲法裁判所が、首都リマで富裕層と貧困層の居住地区を隔てる「恥の壁」が「差別」に当たるとして180日以内の撤去を命じました。
フランス通信が31日土曜、報じたところによりますと、同裁判所のグスタボ・グティエレス判事は現地ラジオRPPで、「ラモリーナ地区と(貧困層が多い)ビジャマリアデルトリウンフォ地区を隔てる壁は取り壊さなければならないと全員一致で判断した」と説明しました。
また「これは差別的な壁だ。ペルー国民を社会階層で分断することがあってはならない。容認できず、もはや世界のどこにもない代物だ」と述べました。
問題となっている壁は1980年代に設置され、全長10キロにも及び、高い所は2メートルを超え、上部には有刺鉄線が取り付けられています。
また、この壁の設置目的は、ペルーでテロ組織と見なされている左翼ゲリラ「センデロ・ルミノソ(輝く道)」が富裕層が住むラモリーナ地区に侵入するのを防ぐこととされていました。
その後、同組織が衰退したにもかかわらず、2000年代に土地の不法占拠を防ぐ名目で拡張されました。
なお、2018年には、市民の一人がこの壁の撤去を求めて裁判を起こしていました。