アフルルバイト世界連合事務局長がベネズエラ大統領と会談、「知性、精神性、公正はシーア派思想の三原則」
イラン・イスラム革命最高指導者の直轄下にあるアフルルバイト世界連合会議のレザー・ラマザーニー事務局長が、訪問先のベネズエラで同国のニコラス・マドゥロ大統領と会談しました。
メフル通信によりますと、マドゥロ大統領はこの会談の冒頭で、ラマザーニー事務局長のベネズエラ訪問に喜びを表明するとともに、「我が国とイランの関係は歴史を誇る深い、兄弟・同胞関係である」とし、次のように述べました。
「この関係は、価値観と原則に一致していなければならない。我々は横暴な輩による世界に暮らしている。我が国の故チャベス元大統領は、21世紀は諸国民の世紀であると考えていた。そして、我々は21世紀の一部であり、21世紀は我々の世紀である。何人も自由と独立の権利、平和に暮らす権利、そして精神性、文化、宗教を結びつける権利を我々から奪うことはできない」
マドゥロ大統領はまた、「イランとベネズエラの友好関係は政治的かつ一時的なものではなく、現実的で戦略的なものである」と指摘し、両国民間の交流を強調しました。
さらに、イラン・イスラム革命最高指導者ハーメネイー師との会談について言及し、「ハーメネイー師は世界とその情勢変化について正確かつ奥深く分析している知的な人物である」と評価しました。
そして、「我々は常にイラン最高指導者の指針を尊重しており、ハーメネイー師に宜しく伝えてほしい」と強調しました。
米を牛耳るシオニスト政権
マドゥロ大統領は続けて、現在世界の置かれた状況について、次のように語りました。
「今や世界は新たな変革期に入っている。ナチズムとファシズムから約100年が経過したが、現在我々はアメリカや西側諸国にナチスとファシズムの潮流が存在する現状を目の当たりにしている。現代世界のあらゆる問題は、西側諸国のすべての柱に影響力を持つこうしたファシストとナチスの見解に端を発している」
マドゥロ大統領はさらに、
「今日、シオニストがアメリカを管理し、軍事、政治、経済面での権力はシオニストが掌握している。アメリカの民主・共和両党のいずれもシオニストに牛耳られている。軍事力とSNSという二大権力が彼らの支配下に置かれている。シオニストは軍事力で平和を危険にさらし、フェイスブックやXなどのSNSの力により世論を操作している」
「もっとも、今や我々は中国、ロシア、イランなどの様々な勢力圏が形成された多極世界に入っている。イランは軍事分野で大きな進歩を遂げており、同国はSNSの分野にもしっかり参入する必要がある。ベネズエラでは、科学技術の発展の第一歩を踏み出し、イランとの間で学術交流を開始しており、これにより学術交流が拡大するよう希望する」
としました。
深く戦略的なイラン・ベネズエラ関係
一方、この会談でラマザーニー事務局長はイラン・ベネズエラ関係を深く戦略的な物だとの見方を示すとともに、次のように述べました。
「我々の宗教の原則に基づき、圧政や圧政の受容は非難され、反対に尊厳と正義が強調されている」
「イラン・イスラム革命の創始者ホメイニー師は、イラン国民と世界の諸国民に大きな教訓を与えた。その教訓とは、我々は抑圧に抵抗し、文明形成の道を進めるというものである。ホメイニー師 は、神への信仰、目的への信念、道筋への信望、人々への信頼という4つの原則を信じていた。この偉大なる指導者はこの4原則の信念と信仰の柱に基づいて革命を起こし、イランと世界に変化をもたらし、既存の国際勢力バランスを打ち破ったのである」
ラマザーニー事務局長は続けて、
「全世界の富が世界のすべての人々に公平に分配されるように、世界に変化が起こるべきである。世界の人々の90%が世界の恩恵の10%だけを受け、世界の恩恵の90%が世界人口の10%のみに与えられるようではいけない」
「世界では一部の政府による圧政がしかれている。これは現代の奴隷制と見なすことができ、即刻廃絶されるべきである。過去には100人、もしくは1000人が奴隷にされていたが、今は諸国民が奴隷にされている、このため、真の意味での人権が尊重される必要がある」
と強調しました。
そして、
「シーア派思想では正義が中軸的な位置を占めており、この思想における正義の象徴はシーア派初代イマーム・アリーである。ジョージ・ジャルダックなどの思想家はこの問題に注目していた。理性、精神性、正義はシーア派思想の3原則であり、それはイスラムの預言者一門の教えに由来している」
「将来、救世主が諸国民を統治するようになるだろう。また我々シーア派教徒は、救世主たるシーア派12代イマーム・マハディーが諸国民の統治のために降臨し、統治・政体が正しい人々の手にわたり、抑圧されていた人々が世界を支配し、圧政者や専制君主、暴君が排除されるだろうと信じている」
と述べました。
ラマザーニー事務局長はまた、
「イランは今や、地域大国から世界の大国にのし上がった。さまざまな分野におけるイランの能力は、その成長と科学面での力によるものである。イランは、一部の科学分野で世界の上位10カ国に入る国であり、世界科学ランキングでは16位にランクインしている。したがって、イランは自らの経験や科学的成果を他国と共有する用意がある。我々は、制裁下のイランでの長年の経験をベネズエラに提供する用意がある」
と述べました。
イスラム教徒への注目を強調するベネズエラ大統領
会談の終了に当たり、ラマザーニー事務局長はベネズエラ大統領に対し、同国のイスラム教徒やイスラム預言者一門の教えを信じる者に注目し、その代表者らを関連行事に招待するよう要請しました。これに対しマドゥロ大統領も「イスラム預言者一門の教えの信者の代表は常に、我々に招待されている」と強調しました。
この会談には、イランからキャラーンターリー科学研究技術・文化社会担当次官、ソルターニー駐ベネズエラ大使、ベネズエラ側からはべラスケス運輸相兼対イラン協力ベネズエラ委員会委員長、ピント外相、ナザレス観光・文化担当副大統領、通信相も出席しました。