7月 03, 2024 15:03 Asia/Tokyo
  • イラン国内で逮捕のスパイ、メモ書きに「イランの刑務所はスパイには不適」
    イラン国内で逮捕のスパイ、メモ書きに「イランの刑務所はスパイには不適」

最近、イラン国内で逮捕されたスパイ、スィヤーマク・ナマーズィー氏が書いたコラムが英紙ガーディアンに掲載され、その中でこのスパイは、スパイ活動との戦いや西側スパイ逮捕の分野におけるイランの行動を非人道的なものと吹聴しようとしています。

【ParsToday国際】ナマーズィー氏は、ガーディアンのサイトに掲載された「私はイランで最も悪名高い刑務所エヴィンに耐えた。どうしてスウェーデンは自国民を放置しそこで死なせることができるのか」と題したコラムにおいて、イランで収監中のスウェーデンとイランの二重国籍者、アフマドレザー・ジャラーリー氏の状況に懸念を示し、西側メディアの伝統に倣ってアメリカとシオニスト政権イスラエルが思惑とするイラン恐怖症を広めようとしています。

アメリカとイランの二重国籍を持つスィヤーマク・ナマーズィー氏は、2015年に敵対政府との協力罪によりイランで逮捕されました。同氏は昨年、イランと米国の協定に基づいた囚人交換で他4人の米国人スパイとともに釈放されました。

ナマーズィー氏は今回のコラムで、反イランテロ組織「モジャーヘディーネ・ハルグ」(MKO)による虚偽の主張によりスウェーデンで逮捕されたイラン人、ハミード・ヌーリー氏の釈放と引き換えに、イラン側がスウェーデンのスパイ2人を釈放したことを引き合いに、西側のスパイに対するイランの独立した司法機関による決定を非人間的なものに見せようとしています。

彼はコラムの中で、読者の感情を刺激することにより、これらのスパイとMKOの犯罪を浄化しようとしているのです。

ナマーズィー氏は「私は元人質である。私はイランのエヴィン刑務所で8年間、監禁と圧制の中で過ごした」と綴っています。また、少なくとも1万7000人の囚人を殺害したMKOに対して「反対派」という表現を使っていますが、このテロ集団の犯罪には触れていません。

 

1980年代のMKOのテロ犯罪で負傷したイラン人の子供


そして、イランが無実の外国人や観光客を逮捕し、その見返りに犯罪者を釈放させているという感情を読者に訴えかけようとしています。しかし、この真っ赤な嘘とは裏腹に、毎年数万人もの西側国民が気軽にイランへ旅行し、この国の美しい名所旧跡や景勝地を訪れているのが現状です。

また、UNWTO・世界観光機関によると、イランは昨年の最初の11カ月に合計523万8564人の観光客を受け入れました。

ポーランドの観光客で旅行作家でもあるカミラ・ナプラ氏はブログでイランでの観光体験について次のように述べています。「イラン人は温かく、もてなし好きかつ好奇心旺盛で、観光客が自国を訪れてくることに一瞬たりとも動揺していないばかりか、外国人観光客の存在を喜んでいた。私は、ニュージーランドやジョージアなど他国でも同様の経験があったが、イランは私が最ももてなし好きな人々に出会った国の筆頭に挙げられる。私は人々の家に夕食に招待され、彼らに加わるよう招かれた。レストランや地元の人たちが私のためにイラン料理を買ってきては、試食させてくれた。それは私にとって、決して忘れられない経験の一つだった」

ナマーズィー氏はメモの中で、ヨハン・フロドロスおよびサイード・アズィーズィーという名前のスウェーデン人スパイ2人の釈放につながった、イランとの囚人交換というスウェーデン政府の決定を批判し、アフマドレザー・ジャラーリー氏の釈放というスウェーデン政府の決定を「良心の欠如」だとしました。

ここで留意すべきことは、ジャラーリー氏がシオニスト政権イスラエルの諜報機関・モサドの最も重要な諜報員の一人であり、イランの治安部隊によって身元が特定され逮捕されたことです。ジャラーリー氏の供述によれば、彼に対するモサドの最も重要な要求の一つは、イランの核科学者からの情報収集でした。

もっとも、ナマーズィー氏はイランで逮捕される前、米国滞在中に国防総省の科学・諜報機関とみなされているアメリカ国防総合大学(NDU)と協力しており、この機関の秘密会議に参加していました。さらに彼は、イスラエル占領地のテルアビブに拠点を置く国家安全保障研究所(INSS)でも対イラン活動を行っています。その例として、彼は2013年イラン大統領選挙の2カ月前である3月22日にこの機関で開催された会議に参加し、イランで危機が発生する可能性に向けた条件を解析しています。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     


 

タグ