7月 23, 2024 17:08 Asia/Tokyo
  • 米政策の影で静かに犠牲となる移民の子どもたち
    米政策の影で静かに犠牲となる移民の子どもたち

アメリカへの移民者、中でも南米諸国から大きな苦労を重ねて入国した年端のいかない移民者は、現在この国の移民政策の最大の犠牲の一部となっています。

子どもの移民者は、アメリカの警察から身体的暴力を受けたり、親から引き離され基準を満たさない過密な収容施設での生活を強いられているだけでなく、性的虐待も受けているという報告がされています。

パールストゥデイによりますと、米司法省は先日、保護者が近くにおらず弱い立場にある子どもたちに対して大規模に性的虐待が行われているとして、同国の移民の一時収容施設を運営する国内最大手団体を訴追しました。

同省公民権局のクリステン・クラーク次官補は声明で、「子どもたちが安全に守られ安心できる場所であるべき避難所で行われた性的虐待は、違法かつ非人道的・侮辱的なものだ」としました。

訴追では、テキサス州とカリフォルニア州の各地で29の一時収容施設を運営するNPOサウスウエスト・キーの従業員たちが、米南西部国境からこのような施設に送られた保護者のいない移民者の子どもたちに対し、性的なものを含むひどい虐待を行ったと説明されているということです。

 

過去にも行われてきた米移民収容施設における子どもの虐待

アメリカでは、子どもの移民の虐待はさまざまな収容施設で切れ目なく起こっています。特に近年は、南米諸国からの大量の移民流入によりこのような事件が深刻さを増し、少なくない数の子どもたちが虐待によって命を落とす事態となっています。

米ニュースサイト・アクシオスはこの件に関連して、子どもの移民の代理人として弁護士らが連邦裁判所に告訴状を提出したことを報じ、「この子どもたちはテキサス州の移民収容施設で劣悪な環境に置かれている」と指摘しました。

 

米移民収容施設内の虐待で最も多い子どもの性的虐待

米司法省のが今回行った訴追では、「移民収容施設にいる子どもたちは、裸の写真の撮影、不適切なやり取りや身体的接触、性的行為などの虐待を受けている」とされました。

収容施設の子どもに対する性的虐待は、これまでにも報告例があります。2020年に行われた裁判では、施設職員の1人による15歳の少年への性的虐待が詳細に取り上げられ、2022年の別の裁判では、テキサス州エルパソの施設内で職員が5歳、8歳、11歳の少女たちに対して性的虐待を繰り返していたとされました。訴状によれば、8歳の少女は代理人に対し、性的虐待について誰かに漏らした場合には家族全員を殺すと、施設職員から脅迫を受けたと語ったということです。

 

子どもに対する犯罪を続けるアメリカ

子どもたちは、常に弱い立場の存在であり、アメリカ国内・国外を問わず同国の政策の犠牲となってきました。アメリカで今もこのような犯罪が明らかになっていることは、この国が子どもの移民の権利を守るというスローガンを掲げているものの、依然として子どもたちが虐待を受けている現状を示しています。

 

 


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