ソマリランド:世界の利益とシオニストの陰謀の交差点
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ソマリランドに関するアラブ連盟会合
東アフリカ・ソマリアからの独立を一方的に宣言した「ソマリランド」を国家承認したという、シオニスト政権イスラエルの行動が、LASアラブ連盟及び国際社会からの強い反発を受けています。
アラブ連盟は声明を発表し、「イスラエル政権はパレスチナ人をソマリランドに移住させようと画策している」と表明しました。同連盟はソマリランドの国家承認というイスラエルの行動を強く非難しています。また、シオニストのこの行動を無効だとし、「軍事基地建設目的でのソマリランド北部の港湾の利用は非難されるべきものである」と表明しています。
LASの声明では、アラブ諸国がパレスチナ人の強制移住を促すあらゆる行為を非難する一方で、ソマリア北西部があくまでソマリア連邦共和国の不可分の一部であり、この地域を国家承認することが世界の安全と平和のかく乱を狙ったイスラエルの工作の一部であることを強調しています。
一方で、国連安全保障理事会は、イスラエル政権がソマリランド地域を国家承認したことを受け、ソマリア政府の要請により緊急会合を開催することを明らかにしました。
一方、アデン湾と紅海を挟んでソマリランド地域の対岸に位置するイエメンのイスラム抵抗組織アンサーロッラーのアブドゥルマリク・アル・フーシ事務局長も声明を発表し、「シオニスト政権がソマリランド地域を承認した目的は、ソマリアや他のアフリカ諸国に対するシオニストの敵対活動の拠点を作ることにある」とし、「アラブ・イスラム諸国は1つの断固たる真剣な姿勢でソマリアの傍らに立つべきだ」と強調しました。
国際社会がシオニスト政権によるソマリランド承認計画に反対しているのは、政治、地政学、そして安全保障上の様々な理由によるものです。アラブ・イスラム諸国は、この動きをシオニスト政権による地域・北アフリカの不安定化を企む計画の一環とみなしています。
ソマリランド地域は、アフリカの角におけるその独特な地政学的立地から、戦略的に極めて重要な位置付けにあります。正確には、ソマリアの北西部を占め、世界で最も重要なエネルギー・貿易回廊の一つである紅海に面しています。
また、紅海とアデン湾を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡は重要な交通路であり、ソマリランドへの軍事駐留は、この海峡の安全保障に影響を及ぼす可能性があります。ソマリランドはジブチ、エチオピアとは陸の国境を、対岸のイエメンとは海の国境を接しており、アフリカと西アジアの交差点となっています。
ソマリランドの国家承認というイスラエルの行動は、ソマリアの国家主権を弱体化させ、北アフリカに情勢不安と不安定さを引き起こすことを意味しており、他国の領土保全を揺るがす危険なモデルとなり得ます。
LASの声明と国連安保理の緊急会合の開催は、国際社会がイスラエルによるこの行動に非常に神経を尖らせていることを示唆しています。
また、イスラエルによる今回の行動に対しては、イエメンのアンサーロッラーをはじめ、地域の他の抵抗組織も反発しており、パレスチナとイラクの抵抗組織もシオニスト政権のこの陰謀に反対しています。
シオニスト政権によるソマリランド承認は、「アフリカの角」と呼ばれる地域および紅海地域の不安定化を狙うより大規模な計画の一環と見なされ、ソマリアの国家主権を脅かすだけでなく、世界の安全保障にも影響を及ぼすことになります。
ソマリランドは地政学的に微妙な位置にあることから、世界的な競争における重要な拠点となっています。シオニスト政権の計画に対する国際社会の反対は、ソマリアの統一維持および、この地域における外国の影響拡大の阻止こそが、世界の安全と平和の維持に向けた努力の一環であるという事実を反映しています。

