経済・政治的危機がトランプ氏の支持率を最低レベルにまで落としたプロセスとは?
https://parstoday.ir/ja/news/world-i131200-経済_政治的危機がトランプ氏の支持率を最低レベルにまで落としたプロセスとは
トランプ米政権は、公約履行と経済・政治的危機の解決に失敗したことにより、1年目に早くも国民の信頼が急落しています。
(last modified 2025-12-31T12:19:30+00:00 )
12月 31, 2025 18:59 Asia/Tokyo
  • 経済・政治的危機がトランプ氏の支持率を最低レベルにまで落としたプロセスとは?
    経済・政治的危機がトランプ氏の支持率を最低レベルにまで落としたプロセスとは?

トランプ米政権は、公約履行と経済・政治的危機の解決に失敗したことにより、1年目に早くも国民の信頼が急落しています。

【ParsToday国際】トランプ氏は2期目スタートから1年が経とうとする現在、政治、経済、そして社会的な数々の課題に直面し、国民の信頼も低下しています。

一連の危機、論争、そして国民の不満により、トランプ氏の支持率は彼の政治キャリア全体を通して最低水準にまで落ち込んでいます。米世論調査会社ギャラップ社がこの年末に発表した世論調査結果によれば、トランプ氏の業績を支持する米国市民は全体のわずか36%に留まっています。確かに、これには共和党支持者の89%が含まれますが、民主党支持者ではわずか3%、無党派層では25%のみとなっています。

2025年、アメリカ国民の不満の最も重要な焦点となったのは経済でした。公表された統計によれば、約70%のアメリカ国民が自国経済を「弱い」と表現しており、これはトランプ大統領の経済運営能力に対する信頼の低下を物語っています。

アメリカ経済は現在、深刻な課題に直面しており、景気後退とインフレが2つの主要な問題です。2025年にはインフレ率が高水準に達し、多くの商品やサービスの価格が上昇しました。2025年8月のハンプトン・グローバル・ビジネス・レビューの報告は、高インフレによって家計の購買力が低下し、多くの必需品が贅沢品になっていることを強調しています。食料価格、住宅費、医療費、エネルギー費の上昇は、中流階級と下流階級を益々逼迫しています。この状況により国民の購買力は低下させ、社会福祉問題への懸念が高まり、疑念も浮上しています。

トランプ政権はこのインフレに対抗するために金利を引き上げましたが、この政策は今のところインフレ率を下げるという具体的なプラスの効果には至っていません。景気後退とインフレにより、様々なビジネス分野が苦境に陥っています。多くの企業は需要の減少、現金流通の問題、そしてコスト上昇に直面しています。これは、多くの分野での生産の減少と失業の増加をまねいています。このような状況下では当然、政府の経済政策と危機管理能力に対する国民の信頼は急落しています。

トランプ大統領は、保護貿易政策と関税政策による米国内の生産の活性化、そして新たな雇用機会の創出という選挙公約を掲げていましたが、現状はこれにはそぐわないものです。こうした状況下で、経済はトランプ大統領にとって最大の弱点と化しています。

第2次トランプ政権における重要な局面となっている問題として、ジェフリー・エプスタイン事件が挙げられます。この事件への関与とトランプ政権の対応ぶりは、与党共和党支持層の一部や議会における支持者からも批判されています。英紙エコノミストおよび世論調査会社ユーガブの世論調査によれば、米国民の47%はトランプ大統領がエプスタイン氏の犯罪の隠蔽を狙っていると考えており、46%はトランプ大統領が事件に関与していたと回答しています。この事件は、トランプ大統領の政治的信用に深刻な打撃を与え、国民の信頼を低下させる主な要因の一つとなっているのです。

さらにトランプ大統領の外交政策は、2025年も幅広い論争を巻き起こしました。世界各国との関税引き上げを伴う経済戦争、特に対イラン12日間戦争におけるシオニスト政権イスラエルへの無制限の支援継続、カリブ海での船舶への致命的な攻撃から石油タンカーの封鎖、地上攻撃の示唆脅迫まで、南米ベネズエラに対する圧力キャンペーンは、アメリカ国民の強い反対に直面しており、多くのアメリカ国民がトランプ大統領のこうした政策や介入に反対しています。

第2期政権1年目の最も困難な課題の一つは、移民問題でした。選挙運動でも移民の扱いについて発言したトランプ氏は、就任1年目においてこの問題を最重要課題に据え、アメリカ史上最大の「国外追放」を実行すると公約しました。しかし、トランプ氏の行動と移民への対応は、アメリカ社会の緊張を高めており、アメリカ国民は、トランプ氏の厳格な移民政策と移民の国外追放に広く反対しています。これらの政策は、移民の人権を侵害するのみならず、社会と国家経済に広範な悪影響を及ぼしているからです。

多くのアメリカ人は、移民、特に長年アメリカに住み、懸命に働いて経済に貢献してきた移民の大量国外追放は、道徳に反するだけでなく、国の労働力と経済力の破壊につながると考えています。さらに、これらの政策は社会の分断を悪化させ、人種的・文化的緊張を高めかねません。したがって、多くのアメリカ人はこの政策、特にトランプ大統領の実施方法に反対しているのです。

政治面では、2025年に米国議会の支持率が歴史的な低水準に落ち込みました。物議を醸した「OBBBA(ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル)」の成立と長期にわたる政府閉鎖により、政治制度に対する国民の信頼が著しく低下しています。最新の報告書によれば、2025年末時点で、国の全体的な方向性に満足していると答えた人はわずか24%に留まっています。この数字は、トランプ大統領だけでなく、アメリカの政治システム全体に深刻な負担をかけている、マクロレベルでの政治的正統性の危機を反映しています。

総括すると、第2次トランプ政権の1年目は支持回復の兆しではなく、国民の信頼の失墜と社会の分断の拡大を象徴していたと言えます。この傾向が続けば、トランプ氏の政治的将来、ひいては今後数年間のアメリカ国内の安定に深刻な課題をもたらす可能性があります。

2025年末は、トランプ氏にとって、彼の選挙スローガンはどれも経済的・社会的な支援なしには生き残れないことを改めて認識させるものでした。トランプ氏は今、自身の政治的運命だけでなく、アメリカの未来をも決定づける試練に直面しています。その答えは、何よりもまず、国民の信頼を再構築し、社会の分断を埋め、癒すことにあると言えるでしょう。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram Twitter