2月 05, 2021 05:06 Asia/Tokyo
  • 米に対するイランの法的勝利、ICJによる米の抗議の却下
    米に対するイランの法的勝利、ICJによる米の抗議の却下

オランダ・ハーグにあるICJ国際司法裁判所が3日水曜、ICJにはイランが訴える米国の「友好条約」違反を審理する正当性がない、とする米国の主張を、賛成15票、反対1票で却下しました。

今回の票決の結果は、イランの対米提訴に関しICJが審理することの正当性を再確認し、同提訴がICJによる審理に入ることを意味しています。イラン政府は、この判決を1つの勝利とみなしており、同国のザリーフ外相はツイッター上で、これに関して「イランにとってのもう1つの新たな勝利」と書き込んでいます。

これに対し、米国務省のネッド・プライス報道官は、「イランの主張の審理はICJの管轄外だ、とする我々の主張を裁判所が受け入れなかったことに失望している」と表明しました。

アメリカが核合意を離脱し、一方的な制裁を課した後、イランは2018年7月16日に、国際的義務、特に1955年の友好・経済関係および領事権条約に違反したとして、アメリカを提訴し、トランプ前政権時代に同国がイランに課した一連の制裁の解除を求めました。

イランの提訴を受けて、その初期的な審理の後、ICJは2018年10月3日に全会一致で、この問題がICJの管轄下にあること、そして薬物、農業、食品、人道および航空の各分野での制裁解除という判決を下しました。

ICJの判事らはその票決において、「当裁判所は、アメリカによる一部の対イラン制裁は、1955年の友好条約の当事者の特定の権利と義務に関連していると裁定した」と表明しました。しかし、アメリカはこの判決を無視し、この判決が出た後に「アメリカは友好条約を離脱する」と発表しました。実際、トランプ前米政権時代の最後の日まで、米国は最大限の圧力行使という形で、イランに次々と追加の制裁を行使していました。

アメリカの異議申し立てに対し3日水曜の判決が出された今、ICJはイランの提訴内容を検討、審理することが可能となりました。

ICJの判事らはまた、ICJにはイランの国民および企業、そして第三国の国民および企業との取引やそれに関連した問題の処理資格がない、としたアメリカの異議申し立てを全会一致で却下しました。

アメリカ政府は当初から常に、ICJにはこの事件を審理する資格や管轄権がないと主張してきました。トランプ前米大統領は、「世界の安全保障にとってイランが「深刻な脅威」であるとの疑惑を提示し、一連の制裁行使は必須だと主張していました。

3日に出されたICJの判決は、イランの立場を強化し、世界や国際世論におけるイランの政治的信頼性を高めた形となっています。さらに、今回の判決は、過去2年間にイランの人々に大きな害をもたらした、一方的かつ非人道的なアメリカの対イラン制裁に対抗した、イランの立場の正当性を示すものだといえます。

同時に、ICJの判決は、米国の名声と地位に大きな打撃を与えたとともに、アメリカが国際舞台でのその強制的な政策がゆえにまた別の敗北を喫したことを示しました。

前政権による対イラン政策の変更や、核合意への復帰を望んでいると主張する新米政権にとって、今回の判決は、米国の対イラン制裁政策が不当であることを立証する、説得力のある理由となりえます。実際、アメリカ政府はもはや、抑圧的な対イラン制裁の続行のために、何一つ言い訳はできなくなっているのです。

 

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