7月 08, 2023 20:13 Asia/Tokyo

中国外務省が、日本はIAEA国際原子力機関の報告書を海洋放出の「通行証」にすべきではない、との見解を示しました。

 中国新華社通信によりますと、中国外務省の汪文斌報道官は7日金曜の定例記者会見で、IAEAのグロッシ事務局長が福島原発の放射能汚染水処理審査評価に参加した専門家の間に包括報告書に対して意見の相違があることを認め、審査に参加した中国の専門家が報告書に遺憾の意を示していることについてコメントしています。

 汪報道官は、「IAEAが性急に発表した報告書は、評価作業に参加した各国の専門家全員の意見を十分に反映しておらず、結論には限界性と一面性があり、国際社会の懸念を解消していない。事務局長は海洋放出を裏書きするものではないと表明している。中国は日本が報告書を海洋放出の「通行証」とせず、計画強行をやめ、責任ある方法で汚染水を処理するよう促す」としています。

 また、日本の官僚が自国のトリチウム排出基準は他国よりはるかに厳しいと発言したことについては「日本は福島原発事故の汚染水と世界各地の原発の正常運転による排水を同列に論じている。これは概念のすり替えで、世論をミスリードするものだ」としました。

そして、「覆水盆に返らず、限りなく災いを残す。われわれは日本が責任転嫁の試みをやめ、国際社会の正当な懸念に誠実に向き合い、海洋放出計画を停止し、科学的かつ安全で、透明性が高い、話し合いによる方法で放射能汚染水を適切に処理するよう促す」と結んでいます。

 


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