視点
国際貿易におけるイランの独自の立場と役割
中国の西アジア関係アナリストHongda Fan氏が「イランは、ほかにはない独自の地政学的立ち位置の点から、歴史上のこれまでの時代と同様に、1つの国際貿易ルートとして非常に注目すべき役割や重要性を有している」と語りました。
イルナー通信によりますと、上海外国語大学西アジア学科の教授でもある同氏は、「中国の古書には、イラン商人に関する記述が存在しており、その逸話は今なお中国でも語り継がれている」とし、「イランが良い通商貿易相手国だったとする学説は、同国に対する中国人の解釈に大きな役割を果たしており、イラン人ビジネスマンと直接面識のある多くの中国人にとって、彼らは歴史を象徴する存在となっている」と述べています。
また、「イランの貿易と商人は歴史上の存在と出来事というだけでなく、現在と未来でも注目を集めるものである。今日でも、陸と海の輸送は国際的な商品流通の最も重要な方法であり、これ今後予想できる将来において決して変わらないだろう」としました。
この中国人アナリストの見解では、イランの地理的位置は、同国が依然として国際貿易ルートとして非常に重要な役割を果たしうることを明確に示しています。
同アナリストはさらに、イランが複数の国際貿易港の潜在力を持つ港湾を有していることを指摘し、「イランは、近年国際社会の注目を集めている南北国際輸送回廊の中央部に位置しており、この国際回廊はイランを、インド、アフガニスタン、アゼルバイジャン、ロシア、中央アジア、ヨーロッパと結ぶことが可能だ」と語りました。
そして、来年2023年に着工予定の中国・キルギス・ウズベキスタン(CKU)鉄道は、完成後はトルクメニスタン経由でイランと接続し、イランから西方のトルコやヨーロッパにつながることが可能だと説明しました。
同アナリストはまた、「イラン周辺に広がる、インド洋、ペルシャ湾およびその湾口にあたるホルモズ海峡、オマーン海、イラン北部カスピ海などの非常に重要な水域の国際的可能性からして、国際貿易におけるイランの潜在的な価値が大きく上昇している」と強調しました。
最後に、「イランは、これまで以上に自らの対外関係の円滑化(対外関係をこれまで以上に円滑化する)のための条件を徐々に乗り越えつつあり、今後の国際貿易の主要ルートとしての同国の役割に大きな期待が寄せられている」と結んでいます。