6月 11, 2016 20:29 Asia/Tokyo
  • カナダの反イランの動きへの同調

カナダの裁判所が、10日金曜、テロ攻撃から生じた損害賠償として、カナダにある外交関係の建物以外のイランの不動産を押収する判決を出しました。

アミーンザーデ解説員

イランは1984年から、アメリカのテロ支援国家のリストに入っています。この主張により、イランに対する一連の偽造された訴訟がアメリカの地方裁判所で起こされています。現在も、同様のシナリオがカナダのアメリカ同調の中で繰り返されています。

カナダ・オンタリオ裁判所による判決では、1983年から2002年の間に起こった爆発や人質事件の犠牲者の遺族はイランがカナダに保有している動産・不動産を、賠償金として受けることができるとされました、この訴訟では、一部が偽りの証言により、非合法な賠償金を手にしようとしています。アルゼンチン、イスラエル、レバノン、サウジアラビアで1983年から2002年の間に起こった攻撃では、カナダ人数名が死亡しました。2012年に施行されたテロ犠牲者支援に関する法に基づき、遺族は、イランがレバノンのヒズボッラーやパレスチナのハマスを支持しているとしていることから、賠償金を請求することができるようになりました。この措置は実際、アメリカの地方裁判所で行われている同じ道を続けるものです。

4月20日にはアメリカの最高裁判所が、およそ20億ドルのイランの資産をイランが関わったとされるテロの犠牲者の遺族に賠償金として支払うことを認める判決を出しましたが、この2ヵ月後に今回のカナダでの判決が出されました。イランはアメリカに対してこの問題に関する抗議を調整しています。非同盟諸国120カ国も、以前、声明を出し、アメリカのイランの資産押収を非難しました。

カナダ発行の新聞ナショナルポストは、カナダで押収されたイランの資産はおよそ1300万カナダドル(およそ1000万米ドル)と伝えています。カナダにおける大使館の建物、さらにイランの外交団の滞在地は外交特権により、除外されました。

カナダとシオニスト政権イスラエルが大規模な関係を有していることから、カナダもイランに対する措置においてアメリカのシオニストロビーに追従しています。カナダにおけるこの裁判の原告は、主に、アメリカの裁判所で賠償金獲得の判決を受け、今度はカナダでのこの判決の実行を求めているアメリカ人です。

カナダが差し押さえようとしている口座は、イラン人学生の学費支払いのために使用されている口座です。イラン政府の弁護団の一人は、原告の主張、さらに彼らのイランの資産押収に向けた努力は侵略行為であるとし、その訴えを数々の理由から拒否しています。

カナダの地方裁判所がこのような判決を出した一方で、カナダのトルドー政権は、2012年から断絶されているイランとの外交関係の再構築を求めていると表明しています。イランが西側諸国が支援したテロの最大の犠牲国である中で、こうした主張はイランに対する陰謀の源になっています。いわゆるアメリカとカナダのイランに対する判決は、完全に政治的なものであり、国際法の違反です。これは各国の関係に不信感と混乱を生じさせることになるでしょう。

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