露戦闘機スホイ35の対イラン売却とその影響
(last modified Tue, 03 Jan 2023 08:37:51 GMT )
1月 03, 2023 17:37 Asia/Tokyo

イランの空軍司令部関係者が、ロシアから戦闘機スホイ35を購入する予定であると明らかにしました。

航空関係ニュースサイト「AVIATION LINE」によりますと、ロシアは少なくとも24機のスホイ35をイランに売却する予定だということです。同サイトは同時に、同戦闘機の高い性能について把握しているシオニスト政権イスラエルやサウジアラビアが、イランへの売却に注意を向けるだろうとしています。

スホイ35は最も強力な第4++世代戦闘機のひとつで、最新鋭レーダーを搭載し、一度に30の目標を追尾・8の目標と交戦することが可能です。

同機のレーダーは400キロ先まで探知可能で、上下60度・左右120度の範囲をカバーします。また、空対空ミサイル、空対地ミサイル、対艦ミサイル、対レーダーミサイルの搭載が可能です。さらに、爆弾投下やレーザー誘導ミサイル、衛星誘導ミサイル、レーダー誘導ミサイルの発射能力も備えています。

その最高速度は低高度で時速1500キロ(マッハ1.25)、高高度で2400キロ超(マッハ2.25)です。最高飛行高度は1万8000メートル、航続距離は3600キロとなっています。またエンジン寿命は4000時間です。

スホイ35の導入によってイラン空軍の装備は、戦闘能力の向上に大きな一歩を踏み出すことになります。

近年、西アジア各国の空軍が第4++世代あるいは第5世代の戦闘機を相次いで導入していることを考えると、イラン空軍のスホイ35導入は、イランと周辺諸国の空軍力に均衡をもたらすことになります。

スホイ35は、最も過酷な演習も最高の結果で遂行する能力を有しています。

米シンクタンクのランド研究所は2008年の調査で、スホイ35が米製第5世代戦闘機・F35よりも優れているとしました。これに対し、F35を開発したロッキードマーティン社や米国防総省は、ランド研究所のこの見解を根拠がないものとし、F22を除けばF35は空中戦において他のどの戦闘機よりも4倍は優れていると主張しました。しかし、F35の度重なる墜落事故やスホイ35との性能比較で、ランド研究所の評価の正しさは裏付けられた形となりました。

ロシアによるイランへのスホイ35売却については、アメリカも反応の中で、否定的な見解を示しました。

昨年12月中旬には、米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官が、イランとロシアの「全面的な防衛協力」に懸念を示し、ロシアが兵器開発や訓練などの分野でイランとの協力を追求していると主張しています。

カービー氏はさらに、「今春にも、イランのパイロットがロシアでスホイ35の操縦訓練を受けることになっているが、このことは、今後1年以内にイランがスホイ35を入手することを示している。スホイ35は、イラン空軍を周辺諸国に比べて著しく強力にするだろう」と述べています。

 


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