イラン大統領候補の討論会
イラン大統領選挙の候補者6名による最初の討論会が、28日金曜夕方、3時間半にわたって行われ、社会問題について話し合われました。
現職のローハーニー大統領、元イスラム文化指導大臣のミールサリーム氏、ガーリーバーフ・テヘラン市長、ジャハーンギーリー第1副大統領、イラン・オリンピック連盟の元会長のハーシェミータバー氏、北東部マシュハド、イマームレザー聖廟の管理者のライースィー師が、この初の討論会で、社会問題に関する自身の見解と計画を明らかにしました。
スラム化、住宅問題、格差と社会的公正、失業問題、官僚制の縮小と公的機関の業務の肥大化、環境問題が、今回の討論会で提示されたテーマです。こういった社会的問題は、経済的な問題とも関連しており、国内問題におけるこの関連性は、候補者の演説においても指摘されていました。この討論会での問題解決は、経済的資源の整備とその管理、若者の問題解決に端を発しており、いずれの候補者も、独自の計画と、イランの現在の可能性への注目により、解決手段を提示しました。
くじ引きによりトップバッターとなったミールサリーム氏は、イランにおけるスラム化の最も重要な理由について、スラム化は社会的、文化的、経済的に多くの問題を引き起こしており、その解決法は土地を整備し、水資源を正しく活用し、使えない土地をなくす政策への回帰だとしました。
ライースィー師も社会的な公正が広がり、格差を解消する計画とアプローチについて、「社会的な公正はイスラム体制の重要な目標だったが、それは逸脱した。格差の緩和のために、低所得者に対する支援金を増やし、彼らの所得税を減らす」と語りました。
ハーシェミータバー氏も、住宅問題、特に若いカップルの住宅問題の解消計画について、「住宅問題は、雇用の創出、ローンの提供、小さな住宅の建設により解決されるが、経済状況の改善や、イラン国民の所得の拡大なしには不可能だ」と語りました。
ローハーニー大統領も、若いカップルの問題の解消方法と、永続的な結婚率の上昇には、雇用状況の改善が必要だとしました。
ジャハーンギーリー第1副大統領は、この討論会で、官僚制の縮小と公的機関の業務の肥大化に対する計画について、「どのような発展においても必要な準備とは、人々の社会的、知的資産の増加であり、人々の満足を高める中で、電子政府の完全な施行が必要だ」と語りました。
くじ引きで最後となったガーリーバーフ市長は、自身の計画を提示し、大気汚染、気候変動、旱魃などの環境問題について、「環境危機はイランにとって深刻な問題であり、その理由は、たとえば国内外のスモッグや、管理上の問題だ」と述べました。
今回の討論会で提示された社会問題は、単純に国内に端を発するものであり、経済的な資源の管理、特に若者の問題の解決や雇用の創出に関係しています。このため、候補者は、様々な見解により、人々が自身の計画に注目し、大統領選で自身に投票するよう、提起された社会問題について言及しました。
大統領選の討論会は、人々の票を獲得する上で重要であり、6人の候補者の間で、これからのおよそ2週間の間に2回の討論会が行われます。この中で、国の運営における候補者の総体的な計画が明らかにされるとともに、選挙における人々の感情は最高潮に達します。選挙の日、イランの人々は、政治的な英雄伝を作り上げることになるでしょう。この4年ごとの英雄伝は、再び敵の陰謀を無意味なものにするのです。