イラン国連次席大使、「対北朝鮮制裁は朝鮮半島の現状打開の助けにならない」
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エルシャーディー・イラン国連次席大使
エルシャーディー・イラン国連次席大使が、「国連安保理による対北朝鮮追加制裁の行使は、朝鮮半島の現状打開の助けにはならず、地域における緊張を扇動し市民に有害な結果をもたらすだけだ」と語りました。
中国とロシアは先月11日、ミサイル実験を理由とした、国連による対北朝鮮制裁の強化を求める米提案の決議案に拒否権を行使しました。
国連総会は米ニューヨークの現地時間で8日水曜、この決議案を検討、審理しました。
この決議は国連総会に対し、安保理メンバー国による拒否権行使後10日間以内の会議召集を義務付けるものです。
これに関して、イルナー通信によりますと、エルシャーディー次席大使は8日、国連総会において、対北朝鮮決議案にロシアと中国が拒否権を行使したことに関して、「我々は協議を通じての問題解決を強調する次第であり、この方向性に基づいて、公正に朝鮮半島の平和的な現状打開につながるあらゆるイニシアチブに参加する用意がある」と語りました。
また、「イランはNPT核兵器不拡散条約の原署国として、核兵器の完全な廃絶を徹底的に支持する」と述べています。
さらに、「現代史上における化学兵器使用の主要な犠牲国であるイランは、核兵器を含む大量殺戮兵器の完全な廃絶への責務遵守を示している」としました。
そして、「国連安保理は北朝鮮の核問題に対するバランスの取れたアプローチをとっておらず、西側諸国の懸念だけに集中した」とし、「北朝鮮への制裁行使は、国際安全保障・平和に寄与しないばかりか、朝鮮半島における安全保障上の手順を増やし、複雑化したに過ぎない」と語っています。
一方、北朝鮮の金星国連大使も国連総会において、同国に対するアメリカ提唱の制裁決議案の全てを違法だとし、「このような制裁は地域・朝鮮半島において予想されるあらゆる安全保障上の危機に対応するための、北朝鮮の自衛権や国連憲章に違反している」と述べました。
北朝鮮は、「米国の脅威と緊張扇動は危険なものになり、この地域での米国とその同盟国による合同演習が朝鮮半島の危機を悪化させた」と表明しています。