安倍元首相暗殺事件の山上容疑者を送検
奈良市で安倍元首相が銃撃され死亡した事件に関して、すでに逮捕されている山上徹也容疑者(41)が、奈良西警察署から奈良地検に送検されました。
多数の報道陣が集まり異様な雰囲気に包まれた中、山上容疑者は10日日曜午前9時ごろに捜査員の誘導に逆らうことなく車両に乗りこみ、奈良地検に送検されました。
なお、容疑は「殺人未遂」から「殺人」に切り替えられたということです。
奈良市で8日金曜、安倍元首相が参議院選挙の応援演説中に銃撃されて死亡しました。この事件で殺人未遂の疑いで元海上自衛隊員の山上徹也容疑者が現行犯逮捕されました。
捜査関係者によりますと、山上容疑者は取り調べに対して、「母親が宗教にのめりこみ、多額の寄付をして破産したので、恨みがあった」、「宗教団体の幹部を殺害しようと考えたが接触が難しかった」「その宗教団体と安倍元総理につながりがあると思った」という趣旨の供述をしているということです。
また、銃撃に使用したとみられる手製の銃については、「2本の筒がついていて、1度に1本の筒から複数の弾丸が発射される仕組みだった」などと話しているということです。
奈良西署のその後の調べによりますと、山上徹也容疑者が「銃だけでなく爆弾も作ろうと考えていた」という趣旨の供述をしていることが新たに分かりました。
山上容疑者は事件前日の7月7日に安倍元首相の遊説先である「岡山にも行っていた」と供述していることも判明しています。
警察は、山上容疑者が安倍元首相をつけ回していた可能性もあるとみて調べています。
そして、犯行に使用した手製の銃については「1本の筒から1度に複数の弾丸が発射できる散弾銃のような仕組みにした」「銃弾も自作した」いう趣旨の供述をしていることも明らかになっています。
さらに、容疑者の車を捜索した結果、火薬を乾かしたとみられるアルミホイルで巻かれたトレイと、試し撃ちしたとみられる木製の板が押収されたということです。
奈良西警察は今後、これらの銃の製造過程などを詳しく調べる方針です。