岸田首相が国連で演説、「安保理改革へ行動の時」
9月 21, 2022 16:14 Asia/Tokyo
岸田文雄首相が国連総会で演説し、国連安保理改革と核兵器廃絶の必要性を訴えました。
岸田文雄首相は現地時間20日火曜午後、米ニューヨークで開かれている第77回国連総会で一般討論演説に臨み、「ロシアによるウクライナの特殊軍事作戦で、安保理の機能不全が露呈している」とし、「国連の信頼性が危機に陥っている」と指摘しました。
また、「国連憲章の理念と原則を踏みにじる行為だ。断じて許してはならない」としてロシアを批判し、国際社会の結束を呼びかけています。
被爆地・広島出身の岸田首相はさらに、核兵器の使用をちらつかせるロシアに対し「核兵器による威嚇、ましてや使用は、国際社会の平和と安全に対する深刻な脅威だ」と述べ、ライフワークの「核兵器のない世界」の実現を改めて訴えました。
さらに「法の支配」に基づく国際秩序の維持が不可欠だと主張するとともに、そのために国連を改革し、機能を強化する必要性を強調しました。
そして、「安保理の改革に向けて文言べースの交渉を開始する時だ」と述べ、改革に必要な決議案作成に向けた交渉入りを各国に呼びかけるとともに、安保理に限らず「総会のさらなる活性化」など国連全体の機能強化も訴えています。
加えて、北朝鮮による日本人拉致問題については、「キム・ジョンウン朝鮮労働党総書記と条件なしで会談する決意がある」との姿勢を示し、「あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動する」と語りました。
新型コロナウイルスの世界的大流行のため、一般討論演説が完全に対面方式で開催されるのは3年ぶりで、今回はウクライナ情勢が最大の焦点となっています。