辺野古訴訟の最高裁判決で沖縄県の敗訴確定
(last modified Mon, 04 Sep 2023 12:51:32 GMT )
9月 04, 2023 21:51 Asia/Tokyo
  • 名護市辺野古
    名護市辺野古

沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る訴訟の最高裁判決で、沖縄県の敗訴が確定しました。

沖縄の地元紙・沖縄タイムスによりますと、名護市辺野古の新基地建設を巡る防衛省の埋め立て変更申請について、国土交通相が県に承認を迫った「是正の指示」は違法な国の関与として県が取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)は4日、是正指示を「適法」とした一審福岡高裁支部判決を維持し、県側の上告を棄却しました。

辺野古不承認を巡る最高裁判断は初めてのことです。

なお、敗訴が確定した県側は承認する義務を負うことになり、今後の対応が焦点となります。

県側は22年8月、裁決と是正指示の取り消しを求める二つの訴訟を提起しましたが、今年3月の一審判決は国交相裁決は有効だと判断し、訴訟対象となる「国の関与」ではないとして県側の訴えを却下しました。

裁決を巡る訴訟は去る8月24日、最高裁が県側の上告を退け、県側の敗訴が確定しました。これにより、不承認の効力は失われ、変更申請は審査段階に戻った状態となっています。

今回の判決を受けて県が承認しなければ、国側は県に代わり承認処分を行う代執行手続きに入るとみられます。

松野博一官房長官は4日月曜午後の記者会見で、沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、防衛省が提出した設計変更申請を巡る訴訟で県敗訴が確定したことに関し「判決に沿った対応が速やかにされるものと考えている」と述べました。

今回の結果を受け、名護市の渡具知武豊市長は4日、メディアに対し「県や国が今後、何らかの対応を示していくものだと思っており、注視していきたい。県と国の対応が明確化した時点で、今後のわれわれの対応を述べたい」とコメントしました。

また、宜野湾市の松川正則市長は4日、「これだけの厳しい現状を放っておいては宜野湾市民に申し訳ないという思いで、普天間飛行場の1日も早い閉鎖・返還を求めてきた。今回の判決で大きく動くのではないかと期待している」と語りました。

さらに、玉城デニー知事は同日、県庁で記者会見し、「最高裁判所には法の番人としての誇りと責任の下、地方自治の本旨を踏まえた公平・中立な判決を最後まで期待していただけに、極めて残念だ」とコメントしています。

そして「このような判決は、地方公共団体の主体的な判断を無にするもので、地方公共団体の自主性や自立性、憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねず、深く憂慮せざるを得ない」と強調しました。

 


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