憲法学者、「沖縄に基地が集中した経緯は非常に不公平」
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憲法学者の木村草太・東京都立大教授
憲法学者の木村草太・東京都立大教授が、米軍統治下で沖縄側が政治的意思を表明できない状況で基地が集中した経緯に触れ、「非常に不公平で政治的自由、公平の観点から、あるべき事態ではない」としました。
沖縄タイムスによりますと、憲法学者の木村草太・東京都立大教授は、4日に那覇市久茂地で開かれた「沖縄日本復帰50年~沖縄と憲法」と題する講演会においてこのように語ったうえで、1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約で主権を回復した日本では、憲法の下にデモなど表現の自由が保障された一方、米軍統治下の沖縄では弾圧されていたという、当時の時代背景に言及し「米国、日本にとり基地を押し付けやすい場所が沖縄だった」と説明しました。
また、ロシアによるウクライナ侵攻で、戦力不保持などを定めた憲法9条を巡り「日本の紛争への備えは十分か」と改定議論が起きていると指摘し、9条では防衛のための必要最小限度の実力保持は禁じていないとし「改定議論の前に、どのような事態に対処するのかを特定し、対応が可能か確認する作業が必要だ」とくぎを刺しました。
一方、孔子廟である久米至聖廟のために那覇市が土地を無償提供したのを憲法の「政教分離の原則」に違反するとした最高裁判決にも言及し、文化財保存のため無償提供したとの市の主張を裁判所が認めなかったことについて「沖縄戦で文化財が破壊され、新しく建設しなければ文化や歴史は継承できない。文化財の基準を示す必要がある」としました。
さらに、憲法制定に沖縄出身者らが関与していないことを背景に「憲法が多様な文化や伝統の保存に強い配慮をしていない」と説明し、「憲法制定過程で沖縄が蚊帳の外にあったことが、裁判所が文化財保存の面で冷たい判決を書いてしまうことの一因ではないか」とも指摘しました。

