9月 18, 2017 15:44 Asia/Tokyo

フランスのチャンネル2の記者、シャルルがガザ地区に滞在していたとき、パレスチナとイスラエルの銃撃戦の音が聞こえました。突然、シャルルの目の前に父親と息子の2人が見えました。彼らは武器を持っていません。しかし、何をしているのでしょうか。シャルルは彼らにカメラを向けました。

銃声とともに、父親は息子を抱きかかえました。彼らは恐れを感じており、隠れるところを探していました。しかし、シオニスト政権軍の兵士は、45分間、彼らに向かって発砲していていました。彼らが武器を持っていないことは明らかです。突然、息子の胸に銃弾が当たり、父親に抱きかかえられながら命を落としました。シャルルは一部始終を録画していました。この映像は、2日と経たずに全世界に広まりました。

シャルルが記録した映像は、子供を殺害するシオニスト政権イスラエルの本質を示しました。ジャマールと息子のムハンマドは、2000年9月30日、ガザ地区の難民キャンプにある自宅から外出し、車を買うため、ガザの自動車バザールに向かっていました。当時、ガザ地区はシオニスト政権軍の検問所や軍事施設がいたるところにありました。また、21件のシオニスト入植地を守るための監視塔がありました。この殉教の瞬間を写した映像はシオニスト政権に大きな圧力を加え、この日は、パレスチナ人の子供を守る日に制定されました。殉教したムハンマドの父、ジャマールは次のように語っています。

「幸運にも、息子の血は世界の人々にイスラエルの犯罪を伝えることができた。もし息子が生きていたら、きっと完璧な若者になっていただろうし、結婚もしているはずで、パレスチナに奉仕していただろう。これまで、私の息子のように、数百人の子供が殺害されている。イスラエルは虐殺を望んでいる」

この日から17年が経とうとしています。パレスチナの子供たちは、毎日、迫害を受けており、彼らの苦しみはまだ続いています。秋の到来とともに、世界の子供たちは新学期を迎えますが、シオニストはいくつかの学校を閉鎖し、パレスチナ人の子供60人が学校で教育を受けるのを制限しています。パレスチナの関係者は、次のように語っています。

「ヨルダン川西岸や、ベイトルモガッダス・エルサレム東部では、新学期が始まっているが、イスラエル軍はパレスチナ人の60人の子供の通学を許可していない。このイスラエルの政府関係者の決定は、より大きな政策の一部である。イスラエルはこの行動によって、国際法規や人権規約、ジュネーブ条約に違反している。また、子供の権利を守る国際的な合意にも違反している。この合意や条約は、子供が教育を受ける権利を保障している。この権利の制限は、犯罪だ」

シオニストは、子供に対して、大人と同様の対応を行っています。彼らは、60年前のように、抵抗の思想がまだ生きていることを知っています。いずれにせよ、子供たちは、後に、なぜ自分たちの土地はシオニストに支配されているのか、なぜわれわれは自分の国で生存権を持つことができないのかと自問するようになります。シオニストは子供たちを恐れているとともに、自らの将来に不安を感じています。パレスチナ国民議会の議員は、次のように語っています。

「シオニスト政権のパレスチナ人に対する犯罪は、特にベイトルモガッダスで続いている。2014年だけで、シオニスト政権はパレスチナ人の子供1200人をヨルダン川西岸とベイトルモガッダスで逮捕している。3年が経過し、パレスチナ人の子供の逮捕は87%増加している。彼らは子供たちをも恐れている」

2014年夏、パレスチナ人に対する新たな攻撃は、人々に対する空爆により行われました。決定的な戦いは、抵抗勢力を永遠に消滅するために行われていました。数百の家族が開戦初日から避難しています。ガザ地区の人は長年、最低限の生活でさえも出来なくなっていますが、忍耐づよく耐えています。

この攻撃は51日間続きました。すべてのパレスチナグループは戦いに加わり、この中で毎日、犯罪が行われました。多くの人権活動家は、銃殺された少年、ムハンマドの動画を見て、パレスチナの人々への抑圧を理解し、彼らを支援するためにかの地に赴きました。ノルウェー人の医師は、ガザの病院を訪れ、初めて信じられない光景を目にしました。彼女は次のように語っています。

「この子供たちは、テロリストなのだろうか。イスラエル軍のガザ攻撃で負傷した子供は全体の3分の1を占め、またこの攻撃で死亡した子供は全体の4分の1を占めている。イスラエル軍はまた、この攻撃で医療施設や学校、モスクを攻撃対象としていたが、これらは民間人の避難所になっていた」

収監されているパレスチナの子供は、1×2メートルの暗い小さな部屋に押し込められています。誰も面会を許可されていません。これらの子供の罪とは、ただパレスチナ人であることです。彼らは毎日、忘れることができないような拷問を受けています。彼らの母親は、彼らが帰ってくるのを今も待っています。パレスチナ収監者・釈放者委員会は、驚くべき統計を発表しています。

「シオニスト政権の関係者は今もなお、200人のパレスチナ人の幼い子供を収監しており、刑務所の関係者はその99%に拷問や精神的な圧迫など、最悪の形で虐待している。彼らは家族と面会もできず、教育も受けられない」

銃撃を受けることのないヨルダン川西岸でも、状況はよいものとはいえません。彼らは差別を受けており、最低限の福祉しか受けていないか、あるいはその可能性がまったく存在しません。ヨルダン川西岸には、パレスチナ人の子供でにぎわう小さな遊園地がありましたが、これは取り壊されようとしています。スカイニュース・アラビア語の記者は、次のように語っています、

「占領地ベイトルモガッダスの市長は違法建築を口実に、ベイトルモガッダス東部の遊園地を取り壊そうとしている。別の遊園地をパレスチナ人の子供のためにつくろうとはしていない。この子供たちは、ベイトルモガッダス西部に立ち入ることが許されていない。あるパレスチナ人の子供が、このように私に語った、『もし、この遊園地を取り壊したら、遊ぶ場所がなくなってしまう。もし、ユダヤ人の遊園地に行けば、いじめられたり、逮捕されたりする。入植者は石を投げてくるし、遊ぶ場所はない』」

2015年夏、パレスチナ人の子供に対する新たな犯罪が明らかになりました。ある一軒の家が、人が中にいる状態で放火されました。このときの犠牲者の幼児は、抵抗の象徴となりました。ドイツ・DPA通信の女性記者は、次のように語りました。

「シオニスト入植者がパレスチナ人の家に放火したことで、1歳半の幼児が死亡し、両親を含む3人が負傷した。入植者は放火した後、アラブ人に対する差別的なスローガンを書き残した。」

パレスチナ人の子供は最大の制限を受け、また、苦難に陥っています。しかし、西側による、中東の民主化を口実にした危機は、ほかの国にも及んでいます。イラク、アフガニスタン、イエメン、シリアの子供たちの状況は、パレスチナの子供の状況と比べてよいわけではありません。

このところ、サウジアラビアのミサイルは、イエメンの人々の家を破壊しています。イエメンにおける生活状況は、この攻撃で危機的な状況に陥っています。こうした中で、子供たちの状況も最悪となっています。ロシアトゥデイ・アラビア語の記者は次のように語っています。

「イエメンの子供たちには安全がない。ユニセフの発表によれば、この4ヶ月間で1000人以上の子供が死傷しており、多くの子供も、緊急の人道支援を必要としている。180万人以上の5歳以下の子供も、栄養不良に直面している。子供の死傷者の数はこの数よりさらに多いのではないか」

シリアの子供も、命の危険にさらされています。ユーロニュースはイタリアから、次のように伝えています。

「1月から、1万300人の移民の子供がイタリアに流入しており、そのうち7400人は同伴者のいない状態だ。イタリアの救援団体は大変危険な状況の中、家族もいない中で地中海を渡る子供の数が増えているのを懸念している」

イラクとシリアのテロリストにより、多くの家族が難民化しました。イラクの数千の子供たちは新学期が始まっても、学校に行くことができません。アルジャジーラテレビの英語放送の記者は、次のように語っています。

「イラクで難民化している就学児童の数は、全部で85万人だ。この中で、65万人が1年にも満たずに学業を放棄している。大変暑く、常に断続的な停電が見られ、ある日は全く電気が来ない。テントの外では、次の授業を待っている子供が列を成しており、本も、ぼろぼろである。」

長年アメリカに占領されているアフガニスタンの子供たちも、残念な状況にあります。栄養不良は、この国の子供の将来に影を落としています。

中東地域の人々は、何が真実なのかをよく知っています。アメリカが子供たちの将来のために用意した世界は、決して明るいものではありません。