ガザの破壊規模と復興への課題:全世界にとっての責任
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トランプ米大統領がパレスチナ・ガザ地区の復興再建を口実に、パレスチナ人の「民族浄化」を呼び掛けたことがきっかけとなり、ガザの破壊規模の大きさから再建の時期・方法が大きな課題として浮き彫りになっています。
(last modified 2025-10-27T01:35:03+00:00 )
2月 10, 2025 12:15 Asia/Tokyo
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    ガザの破壊規模と復興への課題:全世界にとっての責任

トランプ米大統領がパレスチナ・ガザ地区の復興再建を口実に、パレスチナ人の「民族浄化」を呼び掛けたことがきっかけとなり、ガザの破壊規模の大きさから再建の時期・方法が大きな課題として浮き彫りになっています。

【ParsToday西アジア】パレスチナはもとより欧州各国からも大々的に非難されているトランプ大統領の提案には、パレスチナ人の一時的な他国への定住を約束する一方で、200万人以上のパレスチナ人の強制的な移住が含まれています。パレスチナのマンスール国連大使は「ガザ地区はパレスチナ人のものであり、誰かが占領できる放棄された土地ではない。そのような時代はとうに過ぎ去った」と語りました。

この点について米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「トランプ氏の構想が実現するか否かに関わらず、ペンシルベニア州フィラデルフィアほどの面積のガザ地区にかかる再建の規模と費用は莫大なものだ。推定値もはっきりしない」と報じています。

国連も、「ガザ地区内の建物の約70%が全壊または部分損傷を受け、24万5000戸以上の住宅が破壊された。ガザ戦争は、近代史上最も壊滅的な都市戦争に匹敵する破壊を引き起こした。パレスチナ人は、自らの居住地域は判別がつかず道路はぐしゃぐしゃになり、不発弾が至る所にあると訴えている。長期間に及ぶ爆撃で生じた推定5000万トンの瓦礫の除去には10年以上かかると予想されている」と報告しています。

 

農地の7割に被害

ガザ地区の土地の約4割は農地が占めています。今回の戦争前の時点では、農家は家畜を飼育し、イチゴ、オリーブ、ナスなどの果物や野菜を栽培していました。国連の報告によれば、昨年9月の時点でガザ地区の農地の約70%が被害を受けたとされています。戦争前、中心部ガザ市は活気にあふれ、文化と商業の中心地でした。しかし、今では被害を受けた建物の数は3万7000棟に上り、これはガザ地区内で最多となっています。

ユネスコの発表によると、今回の戦争ではウマイヤ朝期の大モスクや世界最古の教会の一つ・聖ポルフィリウス教会など、ガザにある70の重要な文化遺産も破壊されました。また、ガザ港の周辺には、ガザへの立ち入りを許可された少数の外国人ジャーナリストや救援活動家が頻繁に宿泊するホテルが存在していました。衛星画像には、爆撃されたホテルを含む港湾と海岸が破壊された様子が映っています。

 

下水道網・設備も破壊

ガザでは、下水道設備の損傷により排水物が蓄積しています。特にガザ北部では水道、下水、衛生施設の最大70%が被害を受けたと推定されています。特に中心部ガザ市では、こうした施設のうち被害を受けている部分が90%を超えているとされています。こうした施設には、住民が給水確保のため電動ポンプに頼っている沿岸地帯の淡水化施設が含まれるほか、電力システムも深刻な被害を受けています。

専門家らは、ガザの復興再建には数百億ドルが必要だとの見方を示しています。また国連の推計によれば、同地区の経済生産を戦前の水準に回復するには350年かかるとみられています。

 

ガザへの建設資材搬入が禁止

イスラエルによるガザ封鎖の特徴の1つとして、2007年以来実施されている建設資材の搬入禁止が挙げられます。最大の課題が瓦礫です。国連人間居住計画と国連環境計画の推計によりますと、昨年12月の時点でガザ地区には5000万トンの瓦礫や残骸が残っており、これは2008年以降に同地区で勃発した他のすべての戦争で生じた廃棄物総量の17倍に相当します。

国連は、ガザの復興には最長20年かかり、そのための費用は9億900万ドルかかると見積もっています。ガザの復興にどのくらいの期間を要するかは、完全に政治情勢次第なのです。

 


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