ガザ食料配給所で相次ぐ銃撃:米・イスラエルが編み出した「低コスト」な虐殺方法
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ガザ食料配給所で相次ぐ銃撃:米・イスラエルが編み出した「低コスト」な虐殺方法
イスラエルはここにきて、ガザにおいてより安価に虐殺を進める手法を導入しています。
【ParsToday西アジア】現在、ガザでの住民虐殺は、支援物資配布所やその周辺、さらには人道支援車両の近くで起こっています。これは、5月から米・イスラエルが設立した「ガザ人道基金(GHF)」が食料配布を開始して以降、日常茶飯事の出来事となっています。GHFの配給所では、連日のように長い行列を作って食料や水を手に入れようとする無辜の人々が、イスラエル軍によって意図的に銃撃・殺害されています。イスラエル軍のこのような行動は、計画的なものであり、殺戮のコストを削減することを目的としているとされています。
イスラエルはこれまで、ガザ地区の住民を殺すために非常に多くの種類の爆弾やミサイルを使用しており、そのコストは膨大です。統計によると、2023年10月7日に始まったガザ戦争で、アメリカは今年1月末までに少なくとも179億ドルをイスラエルに軍事支援として提供してきました。この支援はトランプ政権下でも続き、2000発の新型爆弾がガザ地区の住民に対して使用されるためにイスラエルに送られ、非常に高額なコストが発生しました。
ガザ戦争の継続に伴い、イスラエル軍はより安価で効率的な方法でパレスチナ人を殺す方法を模索しており、現在は一見食料と水を配布するために設立された施設が、実際にはパレスチナ人を殺害する場となっているという「罠」を利用しています。
国連人権高等弁務官事務所は最近、今年5月27日から7月7日までの間にGHFの活動に関連する場所で、少なくとも798件の殺害が確認されたと発表しました。それによると、このうち615件はGHF配給所周辺で、183件はそこに向かう途中で発生したということです。
GHFは、アメリカの民間セキュリティ会社や物流企業を使ってガザへ物資を送っており、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を介さずに食料を配給するとしています。しかし、受け取りに来た市民の殺害が相次いでいることで、国連はGHFの支援モデルを安全でなく、人道的中立性の基準に違反しているとしています。
GHF配給所では、イスラエル軍や米側のセキュリティ会社が市民に向けて発砲する様子を映した複数の映像が公開されており、これは意図的にパレスチナ人を殺すための行動であることを示していますが、そのコストは極めて低く抑えられています。イスラエル紙「ハアレツ」は、イスラエル軍がガザでパレスチナ人の家を破壊するために民間企業と契約を結んでいると報じました。あるイスラエル兵は、「ガザで工兵機材を使って家を破壊する企業は、家1軒を壊すごとに5000シェケル(約1500ドル)を受け取る」と証言しています。そうした企業が、セキュリティ部隊と共にGHFの配給所やトラックの経路に近づき、支援を待つパレスチナ人に向けて発砲し、家を破壊するための道を作っています。
イランの最高指導者ハーメネイー師は今年6月4日の演説で次のように語っています。
これほどの犯罪的な計画が存在するとは、誰も思っていなかっただろう。かつては、爆弾を投下して家を1軒か2軒壊すと、10人か15人が犠牲になった。でも、それでは足りないと気づいたのだろう。今は「食料配給所」を謳う施設を作り、そこに市民が殺到する。それを機関銃で、爆弾よりも10倍以上の人数を殺害する方法に変えたのだ。人々を殺すのに高いコストがかかっていたので、今度は銃弾を使うことで、それを抑えたのだ。信じがたいことだ。