飢えた医師に骨と皮だけの子供…　それでも西側諸国はガザの飢餓を見過ごす

ガザのパレスチナ政府機関や国連は、ガザに搬入されるごくわずかな人道支援は「イスラエルによるメディア向けの印象操作」であるとし、現在ガザで4万人の新生児が栄養失調により死の危機にあると訴えました。

【ParsToday西アジア】ガザで飢餓が深刻化し、特に子供たちの死亡が日常的な出来事となっている一方で、イスラエルは支援物資の搬入に関して欺瞞的な演出を行い、自らの犯罪を隠蔽し、国際世論の関心を逸らそうとしています。パレスチナ保健省のムニール・アルバルシュ長官は「イスラエルが主張する陸路や空中投下による支援物資搬入はメディアプロパガンダの一環であり、仮にそのような支援が行われても、ガザの飢餓危機の解決には役立たない」と述べました。

【飢えた医師たちの悲惨な状況】

アルバルシュ長官は「ガザでは医師でさえ食べ物を見つけることができず、イスラエルの攻撃による大規模な飢餓の中で体力が消耗している」と語り、「手術中に外科医たちが集中力を失い、医療スタッフの記憶力も飢餓のために低下している」と証言しました。また、「ガザの人道的状況は言葉で表せないほどひどく、あらゆる場所で飢餓が広がり、子供たちは飢え、母親たちは瓦礫の中で意識を失っている」と語りました。

アルバルシュ氏は、イスラエルが主張する一時的な人道的停戦についても、「停戦が人命救助のための真の機会となるまで、何の意味もない」と批判しました。

【ガザの子どもたちは骨と皮ばかりの状態に】

ガザ南部のナセル医療センター小児科部長のアフマド・アルファラ氏は、もしも速やかに食料や粉ミルクが届けられなければ、特に子供たちの間で飢餓による死亡者数が著しく増加すると警告しました。アルファラ氏は「約100万人のガザの子供たちが飢餓と栄養失調にさらされており、ナセル医療センターでも、子供たちの体は筋肉や脂肪組織がなく皮膚だけが骨を覆っている状態だ」と説明しました。

また、ガザ南部ハーンユーニスでは、特に粉ミルクの不足により子供や新生児の栄養失調の事例が増えていると指摘しました。

【ガザの新生児4万人が徐々に死に至る危険】

パレスチナ政府情報局は声明の中で、イスラエルによる粉ミルク搬入禁止のために、ガザの何千もの新生児が差し迫った死の危険にさらされていると発表しました。

声明によれば、過去150日間にわたりイスラエルは粉ミルクを含むあらゆる食料品のガザへの搬入を阻止しており、これはジェノサイド（集団殺害）に該当するとしています。1歳未満の新生児4万人以上が、この息詰まる犯罪的な封鎖により徐々に命を落とす危険にさらされています。

【イスラエルの支援物資搬入の主張は欺瞞的な演出】

ガザのNGOネットワーク代表であるアムジャド・シャワ氏も「イスラエルが主張する支援物資の搬入はメディアプロパガンダであり、実際にガザに届いた物資は非常に限られている」と述べました。シャワ氏は、人道的ニーズは「封鎖の解除と検問所の開放によってのみ満たされるものであり、メディアの宣伝では解決しない」と強調しました。

【最大の犠牲者は子供たち】

国連児童基金（ユニセフ）は、ガザのすべての住民が飢えているが、特に子供たちが最も大きな苦しみを受けていると発表しました。ユニセフは、ガザの幼い子供たちが学校に行ったり遊んだりする代わりに、食べ物を得るために危険な場所に行き、命を危険にさらしていると指摘しました。

世界保健機関（WHO）も、ガザの栄養失調が深刻な状況に達し、飢餓による死亡数が増加していると発表しています。

【空中投下の支援物資では飢餓は解決しない】

国連人道問題担当副事務総長のトム・ウィルチャー氏は、ガザ地区の状況改善には軍事作戦の一時停止だけでなく、恒久的な停戦が必要だと述べました。

イスラエルによる支援物資の空中投下という欺瞞的な演出は国際機関から強い非難を受けています。欧州地中海人権監視団（ユーロメッドモニター）は、何か月にもわたる深刻な飢餓の後の空中投下には効果がなく、イスラエルは依然として非戦闘員に対する飢餓を武器として使用していると表明しました。国際支援団体オックスファムも、イスラエルによる空中投下では、ガザの人々に意図的に課された数か月にもわたる飢餓を解決することはできないと強調しました。

ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。