ボルソナロ前大統領の支持者、ブラジル議会襲撃

ブラジルの右派ボルソナロ前大統領の支持者らが、議会や大統領府、最高裁判所を襲撃しました。

これに対し、治安部隊は同日夕方、襲撃を阻止しようと大規模な鎮圧作戦を展開し、議会の建物から前大統領支持者を排除したほか、プラナルト宮殿（大統領府）や最高裁では機動隊を動員し、放水銃や催涙弾で鎮圧を図りました。

地元メディアは、この襲撃には約3000人が加わっており、またこの事件の中でこれまでに170人が逮捕され、ブラジル上院の警備当局は、議会内で30人を逮捕したとしています。

テレビの映像では、デモ隊が最高裁や議会に侵入し、スローガンを叫んだり家具を壊したりする様子が見られます。

今回の襲撃･混乱は、ボルソナロ氏の盟友ドナルド・トランプ前米大統領の支持者による米連邦議会襲撃を思わせるもので、数時間に及びました。

なお、今回の襲撃時、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領は南東部の洪水被災地を視察中でしたが、「狂信的なファシストによって招かれた前代未聞の事態」とこの襲撃を非難しました。

またブラジリアの治安確保に向け、連邦政府に特別な権限を付与する大統領令に署名しました。

一方、昨年行われた大統領選の決選投票でルラ氏に僅差で敗れたボルソナロ氏は、敗北は裁判所と選挙管理委員会の陰謀のせいだと主張しています。

今回のブラジル議会襲撃のニュースを受け、バイデン米大統領はブラジルの状況は「言語道断」とし、ブリンケン米国務長官は、ルラ大統領とブラジルの機関を全面的に支持すると表明しました。

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