視点
露中への同時対抗という米の戦略的過ちにつながった原因
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アメリカ国旗
中国人民大学の教授が、米国が戦略的過ちを犯し、健全な思考に反してロシアと中国に同時に対抗した理由を4つ指摘しました。
中国人民大学国際関係学部の金灿荣(ジン・カンロン)教授は、同国の新聞「環球時報」への寄稿において、米国が戦略的過ちの原因について以下のような4つの点を取り上げました。
第1の要因は、現米政権の戦略には自信過剰と不安が交錯している点です。
冷米国の政治エリートらは、戦が終わり米国が強大な敵であったソ連に勝利したと感じ、自信過剰に陥りました。そして、北京とモスクワを同時に相手にするのは難しいことでないと考えました。その一方、現在山積している「課題」に対し、一部のエリートが不安を感じていることも、このような浅酌の一因となりました。
2つ目の理由は、戦略的意思決定を行う政治グループに関連しています。
金教授は、このグループに入っているのは、アントニー・ブリンケン国務長官やジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官らといった、冷戦終結後に自身のキャリアが始まった比較的若い世代の高官と指摘しています。彼らはそのキャリアにおいて生死にかかわる闘争や、冷戦時代のような複雑な地政学的対立に直面したことがないため、戦略上の経験が不足しています。
3つ目の理由としてあげられているのは、米政策の「質」です。
問題は高度にイデオロギー化し、二大政党間の闘争の激化にあります。この状況のなかで、より急進的な考え方が優勢となり、穏健で合理的な主張は押しつぶされることになります。
4つ目の理由は、前述の政治のイデオロギー化が加速するとともに、ロシアや中国を本当によく知る専門家が議論の外に出されていることです。
こうした専門家たちは、意見を表明するのを恐れているか、表明しても誰からも相手にされないかのどちらかだということです。


