10月 08, 2024 20:08 Asia/Tokyo
  • ユダヤ系米歴史家、「イスラエル人はもはや犯罪に対する感情なく、イスラエル軍はナチスに酷似」
    ユダヤ系米歴史家、「イスラエル人はもはや犯罪に対する感情なく、イスラエル軍はナチスに酷似」

あるユダヤ系アメリカ人の歴史家が英紙ガーディアンの記事で、シオニスト政権の占領地の人間であるイスラエル人がパレスチナ・ガザとレバノンでの自政権軍の犯罪をどう扱っているかについて論じました。

長年アメリカで虐殺の歴史について研究・教育してきたユダヤ系アメリカ人の歴史家オメル・バルトフ(Omer Bartov)氏は、ガザ戦争開始から数カ月ぶりにイスラエル占領地を訪れましたが、その2週間の滞在中に自ら目の当たりにした現実に驚愕しています。

パールストゥデイによりますと、バルトフ氏はガーディアン紙の記事において、イスラエルのベングリオン大学での自身の講演に言及し、次のように述べました;

「1987年末、パレスチナによる聖地奪還運動・第一次インティファーダが始まったとき、私は重武装したイスラエル兵に石を投げるパレスチナ人青年らの手足を折れという、IDFイスラエル軍に対する当時のイツハク・ラビン・イスラエル戦争大臣の命令に失望した」

 

バルトフ氏はさらに、「当時、私はラビン氏に書簡をしたため、ナチス・ドイツ軍の洗脳に関する私の研究を、彼の指導下のイスラエル軍も同じ危険な道を歩むのではないかと懸念していると警告した。だが驚いたことに、ラビン氏からは数日後、『我がイスラエル軍をナチスドイツ軍と比較するなどということがなぜできるのか?』という返信を受け取った」としています。

また、「この書簡によって、ラビン氏の将来の知的進歩のほどがはっきりした。なぜなら、1993年のパレスチナ・イスラエル間のオスロ合意に欠陥があるにもかかわらず、この合意締結にラビン氏が積極的に関わったことは、イスラエルが長期間にわたりパレスチナ占領に伴う軍事、政治、倫理面での代償を支払う余裕がないことを、同氏が最終的に悟ったことを示しているからである」と述べました。

バルトフ氏はさらに、2023年10月7日のパレスチナによる「アクサーの嵐」作戦に言及し、「10月7日のパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスによる攻撃はイスラエル市民に大きな衝撃を与えたが、イスラエルはまだその衝撃から立ち直れていない。イスラエルが長期間にわたって占領地の一部の支配管理権を失ったのは初めてのことであり、イスラエル軍は1200人以上の殺害、200人以上の拘束、数万人のイスラエル人の難民化を防げなかった」と語りました。

そして、「今日、政府に反対する人々を含むイスラエル市民の各階層に見られる感情は大きく2つに分かれている。1つは怒りと恐怖の抱き合わせであり、もう1つは無感情である」としています。

また、次のように付け加えました;

「76年の歴史のうち57年間も残忍な占領に結び付けられてきたイスラエル市民は、この問題には慣れているが、ガザでのイスラエル軍の犯罪の規模及び、イスラエル市民の名目で行われていることに大部分のイスラエル人が全く無関心であることは前代未聞だ」

 

さらに、「1982年に、レバノン首都ベイルート西部のサブラおよびシャティーラ両難民キャンプでのパレスチナ人の虐殺において、イスラエル軍の支援を受けたマロン派キリスト教民兵組織の行動に対し数十万人のイスラエル人がデモを行ったが、今日ではガザ攻撃に対するそのような反応は、考えられない」と述べています。

さらに、「アクサーの嵐作戦の2日後、ガラント・イスラエル戦争大臣は、『我々は獣のような人間と戦っており、適切な行動をとらなければならない』と発言し、続いて『イスラエルはガザ各地を次々に破壊する』と述べた」としています。

バルトフ氏は最後に「絶え間ない暴力の論理とはこのことである。つまり、人々が敵の全員を殲滅し、この行動の完全な正当化を可能にする論理だ。犠牲者であることの論理は、『彼らはすでに殺しているから、彼らが我々を殺す前に、我々が彼らを殺さねばならない』ということだ」としました。

 

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     


 

タグ