顧客、ライバル、敵:トランプ米大統領のマフィア外交とは?
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顧客、ライバル、敵:トランプ米大統領のマフィア外交とは?
英紙ガーディアンが、トランプ米大統領の外交政策について「マフィアのような外交を展開している」と評しました。
【ParsToday国際】ガーディアン紙は「憂慮すべき新秩序が形成されつつある」と題した記事の中で、「従来のアメリカの同盟国は、国際関係におけるトランプ氏の無法の概念を正当化したり当たり前のように扱うべきではない」としました。
記事は、ガザに対するトランプ氏の挑発的な発言や、パレスチナ人を先祖伝来の土地から追い出すという構想に触れ、「ガザをアメリカの管理下に置くべきだというトランプ氏の考えは、国際社会に受け入れられた法規範や慣習に合致していない。現在の米政権は伝統的な手法を嫌っており、それ以前の体制には戻れないほどに世界を根本的に変えようとしている」と指摘しました。
その上で、「トランプ大統領が220万人のガザ住民を近隣のアラブ諸国へ強制移住させようとしていることは、犯罪と民族浄化を公然と支持しているに等しい」「米国による占領後にガザが『地中海リゾート』に変貌するという考えは人を不愉快にさせるものであり、嘲笑したくなるほど現実から乖離している。トランプ大統領は、世界で最も複雑な地域の中心にある戦争で荒廃した地域を、マンハッタンにある誰も住まなくなった邸宅のように扱っている。彼は、腐敗した建築販売業者による言葉尻と、マフィアの組長的な手法と倫理観で、数百万人もの人々の命を弄んでいる」と断罪しました。
そして、「不安定なガザ停戦を維持するために従来とは異なるアプローチが必要な時期にあって、トランプ氏のような姿勢は不要な緊張を拡大させるだろう。ネタニヤフ首相が率いる極右のイスラエルを除けば、西アジア地域のすべての政府は、トランプ大統領の干渉を危険かつ破壊的であるとみている」と強調しました。
そして、そのような見方は米国の同盟国とされる欧州でも広がっているとし、「欧州はつい数週間前までは自らをアメリカの独立した同盟国だと考えていたが、今ではアメリカ大統領の頭の中にはそのような概念は存在しないことに気づいている。彼の頭の中にあるのは、顧客か、ライバルか、あるいは敵かという3つの区分だけだ。上位の区分として扱われるためには、おべっかや便宜を図る以外に方法はない。だが、共通の利益、国際法上の約束事、民主主義的価値観に基づく永続的な同盟は、もはやホワイトハウスでは何の位置づけも持たない」と指摘しました。
記事は最後に、「歴史上、独裁的な統治者が自国と国外の両方で混乱をもたらした例は枚挙にいとまがないが、世界最強の民主主義国でそのような状況が起きたことはこれまでになく、こうした状況に対処するために米国の同盟国にとって助けとなるような指針も現存しない。しかし、たった一つのことははっきりしている。それは『トランプ政権下のアメリカが古い法規範を遵守するのでは』という希望を抱くのは、賢明な戦略ではないということである」としています。