モロッコ人アナリスト:「部族主義は西アジアにおけるシオニストの疫病拡散計画」
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モロッコ人アナリストのハッサン・アオウリド氏
北アフリカ・モロッコの著名なアナリスト、ハッサン・アオウリド(Hassan Aourid)氏が、「シオニスト政権イスラエルは民族・宗教的分裂志向を利用し、西アジアで『部族主義の蔓延』を煽っている」として警告しました。
【ParsToday国際】イスナー通信によりますと、アオウリド氏は「イスラエルと西アジアにおける疫病の蔓延」と題した記事の中で、地域における民族的・宗教的対立の悪化へのイスラエルの関与を分析しました。
アオウリド氏は、イスラエルがシリア南部スウェイダのイスラム系ドゥルーズ派への支援を口実にシリアを攻撃していることに触れ、シリアの領土保全と同国の弱体化に対する深刻かつ避けられない脅威が存在すると考えています。
また「この危険はシリアだけに限ったものではなく、この傾向はモロッコを含むほかの地域諸国にも広がる可能性がある」と警告しました。
さらに、スウェイダでの最近の出来事及びイスラエルによるシリアへの直接介入を、偶発的な出来事としてではなく、地域を再構築する実験と見なすとともに、それは、新しいサイクス・ピコ協定(1916年5月16日に英仏露の間で結ばれたオスマン帝国領の分割を約した秘密協定)のようなものだが、初期の植民地分割よりもはるかに深く複雑で、分割された物のさらなる分割、分裂のさらなる分裂を狙っている」としています。
そして「こうした展開は単なる宗派間の爆発ではなく、宗教や民族の境界に基づいて地域の政治地理を書き換えようとする一種の危険な症候群であり、アラブ世界西部にまで及びかねない現象である」との見解を示しました。
加えて「部族に基づく西アジア国家の形成という構想はイスラエルの戦略的慣習の中でこれまで長期にわたり提起されてきており、今では理論のレベルから公式政策にまでグレードアップしている」と強調しています。
加えて「イスラエルによるこの戦略における新たな点は、我々がもはや研究推測やシンクタンクの分析に直面するのではなく、シリアでの軍事挑発、ゴラン高原の占領、シリア首都ダマスカス郊外の爆撃、レバノンへの圧力行使、ヨルダンに対する継続的な脅迫などの行動を通じて、イスラエルが部族主義プロジェクトに直接関与しているということだ」と強調しています。
アオウリド氏は最後に「部族・宗派による分裂主義という疫病を助長するのは、外国勢力による部族・宗派集団の武装化と(部族間の)相違のだが、この疫病はアイデンティティ面での安全性が欠如した社会で蔓延する」と結びました。