西側諸国によるパレスチナ国家承認、なぜここまで長引いたのか?
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一つのジェノサイドが継続するまで、西側諸国はついぞ、イスラエル政府への忖度を見直し、パレスチナ国家を承認する方向に進むことはありませんでした。
(last modified 2025-08-02T10:32:01+00:00 )
8月 02, 2025 19:05 Asia/Tokyo
  • 西側諸国によるパレスチナ国家承認、なぜここまで長引いたのか?
    西側諸国によるパレスチナ国家承認、なぜここまで長引いたのか?

一つのジェノサイドが継続するまで、西側諸国はついぞ、イスラエル政府への忖度を見直し、パレスチナ国家を承認する方向に進むことはありませんでした。

【ParsToday国際】フランス・イギリスに続き、カナダのカーニー首相も31日、ニューヨークで開催される9月の国連総会でパレスチナを国家承認する意向を示し、ここに来て西側諸国が一気にパレスチナを国家承認する流れに出ています。

しかし、ここで疑問が浮かび上がります。それは、なぜこれらの国々はパレスチナを認めることにこれほどまで時間がかかったのかということです。

 

世論の圧力

一つ目の理由は、西側諸国の世論における深刻な変化です。この変化は、何年にもわたる個人や団体の継続的な努力の結果として現れました。ガザでのジェノサイドが世論に与えた影響は、これらのキャンペーンのおかげで、通常よりもはるかに迅速かつ広範囲に広がりました。この変化は現在、もう後戻りができないものとなっています。

この現象は、かつてのアパルトヘイト体制下の南アフリカで起きたシャープヴィル虐殺(1960年)の後に起きたことと類似しています。ガザでの人道的危機が拡大し、世論の圧力が増す中で、西側諸国は行動を余儀なくされています。ほとんどの国は、パレスチナを国家承認するという象徴的で低コストな解決策を選び、武器禁輸や外交的措置といったより実際的な対応を避けようとしています。それでも、世論による圧力が実際の成果を生む可能性があることを示しています。

 

イスラエルによる行動の行き詰まり

二つ目の理由は、イスラエルがその言動によって、西側諸国を行き詰まらせていることです。数十年にわたり、西側諸国は「二国家解決策」を実際の政策としてではなく、イスラエルがパレスチナの領土を併合し、住民を追放するための政治的な隠れ蓑として利用してきました。しかし、現在では、イスラエルの指導者たちは、ガザからパレスチナ人を追い出し、ヨルダン川西岸を併合し、パレスチナ国家の形成を妨げるという目標を公然と語っています。

 

代替案の失敗

三つ目の理由は、トランプ米大統領の提案した「アラブ・イスラエル間の関係正常化」の代わりに「パレスチナ人の自己決定権」を置き換えようとする計画の失敗です。「世紀の取引」の合意は、パレスチナ問題の解決には何ら貢献せず、むしろアラブ諸国の公式な支持を受けてイスラエルが一方的な解決策を推進することを奨励しました。しかし、この試みは2023年10月7日に失敗に終わりました。今日では、パレスチナ国家の確立を保証しない限り、関係正常化の合意は擁護できないものとなっています。

 

結論

現実的には、イスラエルは何年にもわたり、パレスチナの不法占拠とその犯罪的政策のお墨付きを得てきました。ガザでのジェノサイドが発生した後、ようやく西側諸国がその立場を見直すことになったのです。今こそ、これらの国々が象徴的な措置だけでなく、イスラエルとの軍事的・経済的協力を断ち、人的権利侵害を終わらせる時です。

 


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