トランプ氏が国際社会にイラン関連の自身の虚言を信じ込ませようとする理由とは?
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トランプ米国大統領が第80回国連総会での演説で、改めて事実無根の反イラン的な主張を繰り返しました。
(last modified 2025-09-24T07:25:38+00:00 )
9月 24, 2025 16:22 Asia/Tokyo
  • 国連総会で演説するドナルド・トランプ米大統領
    国連総会で演説するドナルド・トランプ米大統領

トランプ米国大統領が第80回国連総会での演説で、改めて事実無根の反イラン的な主張を繰り返しました。

【ParsTodayイラン国際】様々な言動でこれまでにも物議を醸しているトランプ大統領は、米ニューヨークにて開催中の国連総会で反イラン的な主張を繰り返し、イランの核施設への査察強化には言及せず「イランは核兵器を持つべきではない」と語っています。トランプ氏はまた、イランがテロを支援していると主張し、同時に米国がシオニスト政権イスラエルと共謀してイラン領土を攻撃したと明言しました。

また「イランの核開発計画に関する米国の立場を表明する書簡をイラン指導部に送付した」と主張し、「イラン側の回答は核開発活動の継続だった」と述べました。その上、イスラエルがNPT核兵器不拡散条約に署名していない世界で唯一の政権であることには触れず、「核兵器開発の抑制はイランから始めるべきだ」とし、「世界で米国以外にイランの核施設を破壊できる国は存在しない」と主張しています。

トランプ氏はまた、世界に平和をもたらすという驚くばかりの尊大ぶった主張を続け、「自分は7ヶ月間で7つの終わりのなき戦争を終結させた。そのうちのいくつかは31年、1つは36年、1つは28年も続いた」とし、「これらの戦争とはカンボジアとタイ、コソボとセルビア、コンゴとルワンダ、パキスタンとインド、イスラエルとイラン、エジプトとエチオピア、アルメニアとアゼルバイジャン共和国の間の戦争だ」しています。もっとも、トランプ氏が以前にも提起していたこの主張は、インドなどの国々から否定されています。その上、トランプ氏はウクライナ戦争を1日で終わらせると約束しておきながら、この点では全く成果を挙げていません。去る6月に米国の共謀で行われたイスラエルによる対イラン攻撃に関しては事実上公式の停戦はなく、現在イランとイスラエルの間は戦争でも和平でもない状態となっています。

同時に、トランプ大統領は国連での演説において、予想通り反イラン的な嘘を広め、イランが核兵器取得を狙っておりテロ支援が疑われることについて通常通りの主張を繰り返しました。

トランプ大統領と一部の米政府当局者が、国際社会はイランに関する彼らの虚言を信じるべきであると主張する理由は、以下の通りです;

1. 政治・戦略的課題:トランプ大統領は就任以来、自らの視点から米国の国益に沿った外交政策を模索してきた。その政策の一つは、最大限の圧力行使、特に原油輸出停止を通じてイランに圧力をかけること、そしてイランと他国との関係の縮小あるいは断絶を狙うことである。したがってトランプ大統領はイランへの圧力を強め、米国の要求を呑ませる手段が、特に核活動やテロリズムの分野での対イラン非難および虚偽の情報拡散だと考えている。

2. イランに対するネガティブなイメージの醸成:トランプ大統領は第1期政権機関中、JCPOA包括的共同行動計画(通称;対イラン核合意)に強く反対し、この合意からの一方的な離脱によって国際世論にイランの悪いイメージを植え付けようと画策した。このアプローチは現在の第2期政権中にさらに強まり、最大限の圧力キャンペーンの継続・拡大にひょり対イラン嫌悪を助長し、イランを非難した。このネガティブなイメージにより、トランプ大統領は将来イランと交渉する際、あるいは他国にイランとの関係縮小や断絶を求める際に、様々な圧力手段を用いることが可能になる。

3. 対イスラエル支援の強化:特に国連の演壇という、加盟国の高官らが米国大統領の年次演説に臨席している場でイランに非難の矛先を向けるもう一つの理由は、イランが脅威であるという口実のもと、全面的な対イスラエル支援、そして同政権への軍事・兵器支援を正当化しようとする工作にある。トランプ大統領は在任中を通して常にイスラエルの強力な支持者であり、JCPOAからの離脱や対イラン制裁を含む多くの政策は、イスラエルの利益と目標に合致していた。特に、シオニスト政権は常にイランの弱体化と孤立化、そして国際社会におけるイランの否定的なイメージ醸成を目指してきた。

4. 国内事情:米国国内においても、一部の政治エリート層や特定の派閥(特に共和党強硬派、そしてトランプ氏がAIPAC米・イスラエル公共問題委員会などの様々なシオニスト・ロビー団体とつるんでいる連合)は、イランとその活動に強く反対している。この点において、トランプ氏が国際社会においてイランの悪いイメージを植え付けようとする姿勢は、国内の支持、特に共和党やシオニスト・ロビー団体からの支持を強化し、一定の票を獲得するための手段として利用される可能性がある。

最後に、トランプ大統領さらには、マルコ・ルビオ国務長官やピート・ヘグセス国防長官といった米高官らのイランに対する政治的アプローチを考えると、イランへの非難や誹謗中傷に固執するのは、特にイランやその他の地域的勢力との関係においてアメリカの地政学的・戦略的目標を推進するためであり、またイスラエルの利益にも合致しているように考えられるのです。
 

 


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