世界のメディアの見出しを概観する|イランのイメージ形成からトランプ氏によるテロリストの美化まで
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西側メディアは、キーワードを選択して繰り返すという仕組みにより、解釈の枠組み、さらには出来事の性質に関する一般大衆の理解を、自らに有利になるように決定しています。
(last modified 2025-11-15T07:50:45+00:00 )
11月 12, 2025 20:09 Asia/Tokyo
  • 世界のメディアの見出しを概観する | イランのイメージ形成からトランプ氏によるテロリストの美化まで
    世界のメディアの見出しを概観する | イランのイメージ形成からトランプ氏によるテロリストの美化まで

西側メディアは、キーワードを選択して繰り返すという仕組みにより、解釈の枠組み、さらには出来事の性質に関する一般大衆の理解を、自らに有利になるように決定しています。

欧米のメディアは、多くのニュースの見出しにおいて特定の文言に頼り、自らの方針に沿った文言を最大限に利用して出来事を捉えようとしています。

【ParsToday国際】この記事では、世界の一部のメディアにおける偏向的なニュースの見出しをいくつか取り上げていきます。

欧州のニュース専門局・ユーロニュース:「世界最大の空母が中南米に到着、ベネズエラは対抗措置として20万人の部隊を派遣」この見出しは、米空母の説明に「対抗」と「20万人の部隊」という文言を添えることで、南米ベネズエラについて、激しい軍事的対応に訴える、不安定な過激主義政権というイメージを作り上げているように思われます。

一方で、ベネズエラが米国の好戦的行動および、アメリカの対ベネズエラ干渉に対抗して行動を起こしている理由を完全に隠蔽しています。この見出しは「ベネズエラ、米軍の駐留に反応し20万人の部隊を派遣」と書き換えることができます。

ロイター通信:「イラン、米国との平和的核合意を追求、当局者発言」

この見出しでは、筆者はイランを弱い立場に位置付け、米国との交渉を求めた側として描く一方で、米国を決定権がある側として表現しています。

「求める」という表現は、イランが「懇願」あるいは「要請」しているようにも解釈できます。より中立的な見出しとしては、「イラン、平和的核合意を主張」の方が適切だった可能性があります。

米FOXニュース:「イスラエル軍、ガザでの『新たな停戦違反』でテロリストを殲滅」

この見出しは「テロリスト」という用語が非常に目を引き、シオニスト政権イスラエルに有利になるよう、イスラエル側の行動を正当防衛として正当化しようとしています。こうした中、この言葉の使用自体には価値があり、このアメリカのメディアでは意図的に多用され、パレスチナ戦闘員をテロリストとして扱っています。「殲滅」という言い方もまた、パレスチナ戦闘員にふさわしくない侮辱的な表現です。

FOXニュース:「トランプ氏、地域的和平への努力の最中、歴史的なホワイトハウス首脳会談でシリア大統領を歓迎」

このニュースを構成する表現を検討する際、「最中」と「努力」という言葉に注目する必要があります。これらは、米国大統領が平和構築にどれほど注力しているかを主張しようとしています。この見出しが示すように、著者は言葉の選択を通して、ドナルド・トランプ氏が「平和推進者」であり、重要な地域の平和実現に向けた人道的努力に携わる積極的な外交官であることを読者に示唆しています。この枠組みは、地政学的目標、経済的利益、権力の誇示といった他の動機を覆い隠し、彼の行動がいかにも本質的に「善」であるように誇張しているのです。また、もう一つの「大統領」という言葉は、シャラア氏(通称;ジャウラニ氏)が法的に、そして正式なシリア大統領であることを示すために使われています。しかし実際には、シリアはテロリストたる支配者が武力で権力を掌握した国なのです。

 

 


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