アメリカ大統領による貿易戦争の開始
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アメリカのトランプ大統領が、数週間の議論や対立の後、鉄鋼製品とアルミニウム製品に対する輸入関税を追加する大統領令に署名しました。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
3月 09, 2018 18:34 Asia/Tokyo
  • トランプ大統領
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アメリカのトランプ大統領が、数週間の議論や対立の後、鉄鋼製品とアルミニウム製品に対する輸入関税を追加する大統領令に署名しました。

この決定により、鉄鋼製品には25%、アルミニウム製品には10%の輸入関税が課されることになります。また、カナダやメキシコなどの一部の国は、一時的にこの対象外とされることになります。トランプ大統領は、この大統領令の署名後、この決定は、アメリカの国家安全保障や、国内の業者を支援し、雇用機会を守るためのものだとしました。近年、他国からの安価な鉄鋼製品やアルミニウム製品の流入を受けて、アメリカの金属業は弱体化しており、それは、現在、半分以上のアメリカの需要を国外の輸入製品によって満たすほどになっています。また、数万人の雇用機会を失っているほか、アメリカの兵器企業も、輸入に依存しています。アメリカ政府はこの問題を、国の安全保障における差し迫った危機だとしています。

一方で、トランプ大統領の決定は、アメリカの貿易相手国の反発に直面しています。これらの貿易相手国は、鉄鋼製品やアルミニウム製品だけでなく、そのほかのアメリカ製品に関税を掛けると表明しました。一部の見積もりでは、もしアメリカとその貿易相手国の貿易戦争が激化すれば、アメリカの600万人の労働者がこの戦争により被害を受けることになり、彼らの多くは職を手放すことになるとされています。

アメリカのポール・ライアン下院議長は、次のように語りました。

「私は関税の拡大に反対している。それは、その場合、あなた方が非常に悪い結果を見ることになると考えているからだ。この場合、あなた方は大きな副次的な損害を目の当たりにすることになるだろう」

国際レベルでも、WTO世界貿易機関、世界銀行、IMF国際通貨基金のトップから、世界の経済界の要人すべてが、貿易戦争の結果についてアメリカに警告を発しています。この状況に対する懸念は、アメリカのホワイトハウス内部にもおよび、コーン国家経済会議議長の辞任表明につながりました。

こうした中、アメリカの国家主義的な経済思想を持つ人々は、国内生産の強化とアメリカの労働者の保護がなければ、アメリカは世界最大の経済大国の地位を次第に失うことになり、中国に取って代わられると考えています。一方で、自由経済主義者は、国際経済体制の現在の枠組みが崩壊すれば、世界各国が貿易戦争に突入するだけでなく、アメリカの経済の弱体化も加速すると警告を発しています。どちらの見通しが最終的に実現するかについては、今後、見守っていく必要があります。