アメリカ大統領選の民主党サンダース氏の勝利
アメリカ大統領選挙に名乗りを上げている民主党のバーニー・サンダース氏が、3つの州の党員集会で勝利しました。
アボルファトフ解説員
アラスカ、ワシントン、ハワイの3つの州で26日土曜に行われた党員集会の結果、左派のサンダース氏がアラスカ州とワシントン州で勝利し、ハワイ州でもリードしています。これらの勝利により、サンダース氏が党員集会で獲得した票数は956票となり、また代議士から獲得した票を合わせて合計985票に達しました。この数は、ハワイ州での獲得票により、さらに増加することが見込まれます。
しかし、これほどの圧勝にもかかわらず、サンダース氏と民主党の首位につけているクリントン氏との間には、まだかなりの開きがあります。アメリカ前国務長官のクリントン氏は、党員集会で1234票を獲得しました。さらに、469名の民主党の代議士が、クリントン氏を支持しています。この2つの数字を合計すると、民主党の党員集会での合計4756票のうち、クリントン氏が1703票を獲得していることになります。
民主党内の規則によれば、党員集会で2383票を獲得できた人物が、最終的な民主党候補として擁立されることになります。クリントン氏は、あとわずか680票を獲得すれば民主党の最終候補に勝ち残ります。これに対し、サンダース氏はあと1398票を獲得する必要があります。その一方で、そのほかの州の党員集会での1747票はまだ確定していません。
単純計算した場合、クリントン氏は残りの民主党党員集会で38%の支持を得れば、アメリカ大統領選至上初の女性候補となります。しかし、サンダース氏は残りの党員集会で80%の支持を得なければなりません。
もっとも、サンダース氏はアメリカ西海岸地域や北中西部の保守派が少ない州では、クリントン氏を上回っています。バーモント州のサンダース氏の選挙本部は、依然として党員集会での勝利の可能性に望みをかけています。しかし、ニューヨーク州はともかく、民主党の党員集会でクリントン氏が247票を獲得していることは、サンダース氏にとっては悪夢に等しいと思われます。
同時に、サンダース氏はクリントン氏を支持する20州に対し14の州で勝利を収めたにもかかわらず、民主党の党員集会の代議士に対する彼の支持枠は1対16となっています。言い換えれば、民主党のそのほかの代議士216人全員が、サンダース氏を支持した場合でも、クリントン氏の支持する代議士が一人も見解を変えなかったという条件付で、彼はやっとクリントン氏を上回ることができるということです。
しかし、最終的にサンダース氏が党員集会で勝利するかはさておき、現段階までは社会正義やエリート主義との戦い、アメリカの政治に対するウォール街の優越主義の否定といった、サンダース氏の理念はアメリカの政治、特に民主党に影響を与えているのです。