9月 25, 2019 21:08 Asia/Tokyo
  • グレタ・トゥーンベリさん
    グレタ・トゥーンベリさん

米ニューヨークで開かれた国連の温暖化対策サミットで、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)が、怒りと涙のスピーチを行い、各国首脳の涙を誘うと同時に熱のこもった演説で注目を集めました。

グレタ・トゥーンベリさんは、大西洋の汚染を防ぐため、4800キロに及ぶ大西洋をヨットで横断し、ニューヨークに到着しました。

グレタさんは環境破壊への対抗という旗印を掲げ、昨年スウェーデン議会前でハンストを行い、活動をスタートさせました。彼女は現在、ヨーロッパ各国の首都を回り、その運動はほぼ毎週金曜、各国の議会の建物や政府機関の前、そして一般道で行われ、学生たちの集団とともに歌とダンス、そして足を踏み鳴らして終わります。

今や、グレタさんは各国の首脳やメディアにとってスターのような存在になっています。

BBCはグレタさんを「世界を変えた5人の青少年の1人」として紹介しました。彼女の叫び声、笑い声、怒りから、オバマ前米大統領との握手に至るまで。彼女の次の目標と旅の計画はニュースで熱く取り上げられています。

各メディアがグレタさんを盛んに取り上げる中で、2人のシオニストによって石ころだらけの地面の上を引きずられるパレスチナ人女性のうめき声を西欧のメディアが伝えることはありません。

グレタさんは現在、愛すべき主人公となっています。現在、ヨーロッパ人は彼女を誇りにしていますが、その一方でパレスチナ人女性の頭を貫いた銃弾については何も知らないのです。

おそらく大半の人々は、1人のスウェーデン人少女がニューヨークから南米チリで開かれる気候変動会合へと向かうことを知っているかもしれません。ですが、そうした人々はおそらく、イエメンの女学校については知らないのではないでしょうか。この女学校は半年前にサウジアラビア軍の爆撃にあって全壊しました。そして、グレタさんと同い年の少女11人が無残に命を奪われたのです。

グレタさんの呼びかけで抗議行動への意欲を起こし、抗議行進に参加した数十万人の人々のうち、ナイジェリアのテロ組織ボコハラムが2000人のナイジェリア人女子学生を拉致し、戦闘員もしくは性的奴隷として扱い、逆らった学生を殺害するという忌まわしい事実を知っている人はどれほどいるでしょうか。

現在、BBCの報道の焦点となっているのは、米トランプ大統領がこのスウェーデン人少女には目もくれず、冷ややかな視線を浴びせただけだったとする事実です。それを報道するメディアは、ミャンマー人のイスラム教徒の少女の遺体が2週間もの間、水中に浮かんだままで、銃撃される恐れから誰も彼女の遺体を埋葬できなかった出来事についてはまったく触れることはありません。

グレタさんは、西側のファンタジストの抗議のシンボルとしてメディアをにぎわせ、流行服の販売者や各国首脳をも楽しませています。ただし、それは、そうした「少女たちの集団が問題の種になることのない限り」なのです。

 

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