視点:米副大統領候補者のテレビ討論
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米副大統領候補によるテレビ討論
2020年米副大統領選の候補者による唯一のテレビ討論が、その前に実施された大統領候補者らの討論とは逆に、舌戦もあまりなく平凡に終了しました。
現職のマイク・ペンス副大統領と対抗馬のカマラ・ハリス民主党上院議員にはそれぞれ90分間が与えられ、国内外の最も重要な議題に関して演説するため、それぞれ90分間の制限時間が与えられました。今回の議題は、新型コロナウイルスのパンデミック、経済・エネルギー問題にはじまり、連邦最高裁判事の選出、次期政権への権限移行に至るまで広範囲に及んでいます。
2人の候補者はさらに、対外政策の分野では、アメリカとその同盟国の関係の種類、ロシア問題、中国との貿易戦争、そして最終的にはイラン問題や核問題をも取り上げました。
ペンス現副大統領とハリス候補は、ここ数週間、さらには数ヶ月間にわたる選挙運動において共和党員と民主党員らが繰り返し指摘していた点について演説を行いました。しかし、彼らはいずれもある明白な疑問に対する回答を回避しています。
ハリス候補は、「ジョー・バイデン民主党候補とともに今回の大統領選に当選した場合には、リベラルな風潮を高めるため連邦最高裁の定員を増員するか否か」という質疑に対し、回答を避けました。この問題がなぜ重要なのかといえば、今回の選挙で民主党が勝利した場合、判事間の保守派とリベラル派のバランスの崩れた状態を変更し、トランプ現大統領がエイミー・コニー・バレット現シカゴ連邦裁判事を指名できなくなることが指摘できます。さらに、ペンス副大統領もトランプ氏と同様、「民主党が勝利した場合に平和的な政権の移行を支持するか」との質疑への回答を避けました。この問題も、別の政府を形成したいというアメリカの有権者の願望に対して敗北した政府の抵抗が、アメリカの政治構造を大きく弱める可能性がある点で重要とされています
今回のテレビ討論の終了後、共和党と民主党の各選挙運動陣営はそれぞれの候補の勝利を発表しました。動画メディアも、それぞれ世論調査の結果を発表しており、その多くは与党共和党より民主党候補の方が優勢であると発表しています。
来月3日の投票終了までまだ後25日が残されており、世論調査の上では共和党は依然として劣勢となっています。
フランス通信は、今回の副大統領候補同士のテレビ討論の終了後、「事実上、今回の討論では明確な勝者はいなかった。しかも、共和党員が世論調査で後れを取っていることからして、こうした場での勝利を必要としている時にである」と報じました。
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