バイデン米政権発足後100日間の成績表
(last modified Sun, 02 May 2021 11:18:42 GMT )
May 02, 2021 20:18 Asia/Tokyo
  • バイデン米大統領
    バイデン米大統領

アメリカで、バイデン現民主党政権が発足してから100日が経過した現在、この期間中における同政権の行動に対する様々な見解が提示されています。しかし、バイデン政権は一部の成功こそ収めたものの、一部の大きな失敗にも直面しています。

バイデン政権は、表面的には新型コロナウイルス対策及び、アメリカの経済回復に関してある程度の成功を収めているように見えます。アメリカでは現在までに、3200万人以上がコロナに感染し、また57万5000人以上がこのウイルスへの感染により命を落としています。しかし、複数の統計によれば、これまでにおよそ1億人がコロナワクチンの第2段階目の接種を受けており、このことはコロナ感染による犠牲者を減らす上で有効だったと言えます。

経済回復に関しても、アメリカ商務省はその新たな報告において、2021年第1四半期における同国の経済成長率が6.4%であった、としています。こうした進歩の要因としては、中小企業に対する資金援助、そしてコロナワクチンの接種、さらには労働状況の回復や経済解放などが挙げられます。

しかしこうした中で、バイデン政権は一部の大きな失敗にも直面しています。そのなかの重要な実例の1つが移民政策であり、その結果アメリカ国境での不法移民が激増し、米政府の困惑を引き起こしています。

バイデン政権に対する批評家は、トランプ前政権の移民政策を変更するというバイデン大統領の約束が、数千人もの中米出身者らに、アメリカに受け入れられることと新生活の立ち上げを期待して米南部国境に移動する動機を与えた、と述べています。その一方で、アメリカの連邦機関や州機関には、こうした大量移民に対処する能力が根本的に欠如しています。

さらに、複数の人権団体も、国境キャンプでのこれらの難民の扱いと収容状況が極めて不適切であると考えています。こうした状況に反応し、バイデン大統領は先月30日、あるインタビューにおいて、アメリカ南部国境での難民の状況を危機的なものとはせず、「我が政権は、難民の子どもをその保護者のもとに帰すべく尽力している。わが国の南部国境において醜悪な状況が生じた理由は、前政権が我が政権チームと協力しないことにある」と語りました。

バイデン大統領と彼の政権に対する批判の急増につながったもう一つの問題は、アメリカ社会内の分裂の拡大、そして米国議会の明白な二極化、そして共和党が公然とバイデン氏の経済・社会的計画に対抗する姿勢を見せていることです。

バイデン大統領はコロナの影響への対処、社会福祉の拡大、国内での雇用回復に向けた計画を提示することにより、米国の経済と社会の復興に向けて約6兆ドルを費やそうとしています。しかし、バイデン政権がこれらの計画のプラスの効果を約束しているにもかかわらず、実際には、ホワイトハウスと下院と上院で過半数を占めている民主党員は、共和党員を説得する努力をしていません。

このことは即ち、共和党員を無視することを意味し、彼らからの絶大な反対を引き起こしています。

バイデン大統領は議会内での最近の演説において、議員らに対し団結し、アメリカがこれまでとおり急速かつ、効果的な方法で事態を収束させられることを世界に示そうと呼びかけています。

共和党議員らは、統一されたアメリカの国旗の下での各政党や勢力集団の団結に関するバイデン大統領の演説を引き合いに出し、「バイデン大統領の演説は中身のないもので、彼の行動はその演説内容に反するものだ」と強調しています。

言い換えれば、バイデン政権は統一された1つのアメリカ、というスローガンに反して、実際には国内での分裂を煽るべく動いている、ということになります。

米共和党上院議員のティム・スコット氏は、バイデン大統領の初の議会演説に対する共和党の正式な反応としての声明文を読み上げる中、「バイデン政権の発足後最初の100日間で、バイデン大統領および民主党の行動は、我々をこれまで以上に分裂と二極化へと掻き立てた」と語りました。

 

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