南極沖で、1915年に沈んだ英探検隊のエンデュアランス号発見
(last modified Thu, 10 Mar 2022 05:25:58 GMT )
3月 10, 2022 14:25 Asia/Tokyo

100年以上前に南極のウェッデル海に沈没した英国人探検家アーネスト・シャクルトン率いる探検隊の船「エンデュアランス号(Endurance)」が、同域の海底に沈没しているのが発見されました。

フランス通信が9日水曜、報じたところによりますと、この沈没船の発見は、調査隊を組織したフォークランド海洋遺産財団が同日発表したものです。

発見されたのは、水深3008メートルの海底で、沈没した海域から約6キロ離れた地点でした。

調査隊の責任者メンスン・バウンド氏は「われわれは場所を突き止め、エンデュアランス号の画像を撮影できた幸運に圧倒されている」とコメントしています。

また、沈没船は、海底で垂直を保っており、保存状態も極めて良好だとし、「木造の沈没船としては今までに見た中で最も状態が良い」と指摘しました。

ウェッデル海は激しい渦流で知られ、最新の砕氷船すら脅かす海氷が漂うことから、調査隊が水中ドローンを投入したところ、水中ドローンは、鮮明な画像を撮影しています。

この画像によりますと、かじは100年以上も経過しているにもかかわらず原状を維持しており、まるでつい最近、探検隊が船を後にしたかのように船尾には装備が積み重なっていたということです。

国際法により、この沈没船は水中文化遺産として保護されることになります。調査隊に認められるのは撮影やスキャンだけで、船体に触れたり、海上に引き揚げたりすることはできないとされています。

シャクルトンの探検は、1914~17年に計画された初の南極大陸横断を目指しましたが、過酷な海況で知られるウェッデル海の餌食となりました。

エンデュアランス号は、海氷の中で動けなくなってから10か月後の1915年、叢氷(そうひょう)にゆっくり押しつぶされながらウェッデル海に沈没しています。

探検隊は、海氷の上で野営し、救命艇でエレファント島を経由してサウスジョージア島にたどり着き、全員生還しています

この難破劇は、探検隊が徒歩やボートを使って生還したことから伝説として語り継がれてきました。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram    Twitter    urmediem