3月 29, 2021 20:19 Asia/Tokyo
  • ノウルーズの儀式
    ノウルーズの儀式

寒い冬と共に古い年が去り、輝く太陽と共に、暖かい春が訪れました。植物は生まれ変わり、自然が壮麗な祝祭を始めています。

植物の再生により、人々は枯れた枝を取り払い、新しい種を植えたい衝動に駆られます。まるで、毎年そうすることで、自然から遅れまいとし、さまざまな儀式によって、自然の祝祭に参加しようとしているかのようです。今回は、ノウルーズの儀式についてご紹介しましょう。

ノウルーズが始まる数日前から、イラン暦の1月、ファルヴァルディーン月の13日まで続くノウルーズの間、人々は自然と共に、生まれ変わろうとします。この段階は、古い年から新しい年、古い生活から新しい生活への過渡期、移行期です。この期間は、年が変わったときからファルヴァルディーン月の12日まで続きます。この間、人々は家族や親戚と共に家の中で過ごしたり、互いを訪問しあったりします。

この12日間、人々は、ノウルーズの儀式の中で、この移行期に関係する特別な遊びや見世物を行います。この期間は、自然が再びエネルギーを得て生まれ変わることを示し、この次期の最後には、人々が再び社会と結びつき、日常の社会・経済活動へと戻っていきます。

春の13日目は、外出し、大勢の人々と共に自然の中を散策したり、喜びの中で過ごす儀式が行われ、これは、移行期の終わりと、新しい年の社会生活の始まりを示しています。

象徴的な一連の行動を伴うノウルーズの儀式の中で、人々はまず、現世の生活での穢れを遠ざけます。それから、年の移り変わりと自然の再生と共に、精神的な旅の中で生まれ変わります。このとき、新たなエネルギーによって、新しい年の社会的な責務を受け入れる準備を整え、新しい年を始めるのです。

何世紀もの間、この宗教的、民族的な儀式は、イランの人々の歴史において、多くの出来事を経験しながら実施されてきました。歴史書を紐解くと、ノウルーズの祝祭が、文化的な驚くべき現象であり、その美しい儀式によって人々の間に喜びが広がり、春の始まりと共に、あらゆる思想を持ったイラン人が、希望に溢れた祝祭を催していたことが分かります。ノウルーズの特別な儀式は数多くありますが、中には現在まで残っているものもあり、それらはイランの各地だけでなく、ノウルーズを祝うその他の国々でも実施されています。ここからは、過去に実施されていた一部の儀式についてご紹介しましょう。

イラン暦最後の月であるエスファンド月の1ヶ月、イランの人々は、ノウルーズを迎えるための儀式を行っていました。この月の1日には、笑いを誘う見世物と共に、滝や小川が流れ始めるのに合わせた祝祭が行われていました。エスファンド月の10日には、川のほとりで祝祭が催され、19日は「河川のノウルーズ」と名づけられ、泉や小川の掃除が行われ、バラ水がまかれています。

エスファンド月20日は、花束の日とされ、花や植物が植えられていました。26日は、亡くなった偉人たちに追悼が捧げられました。一年の最後の水曜日の前夜は、家や庭の埃を払い、喜びのための儀式が行われました。冬の最後の日には、自然の実りや緑を大切にする儀式が行われ、一年の最後の夜には、祖国や家の中から、明かりが絶えないようにという思いをこめて、家の中や屋上で火がたかれています。

さて、ノウルーズが訪れました。ノウルーズは春の最初の日、自然が生まれる日、鳥がさえずり、花がつぼみを開く日です。この日、イランの人々は、エスファンド月のさまざまな儀式による準備を終え、祝祭を催します。この日の祝祭は、統治者や宗教などに要求されたり、指示されたりしたものではありません。

イランの人々は、昔、1ヶ月のそれぞれの日に名前をつけ、春の第一日やファルヴァルディーンを**と呼んでいました。この日には大きな祝祭が催され、創造主を崇拝していました。ノウルーズの前半には集団の儀式が行われ、それは一般のノウルーズと呼ばれていましたが、6日からは偉人たちや特別な階層の人々がそれを続け、「特別なノウルーズ」と呼ばれていました。いずれにせよ、ノウルーズの祝祭は、喜びと特別な祈祷を伴ったものでした。

 

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