イラン北部マーザンダラーン州およびギーラーン州では、成人女性及び未成年の少女らにより、これらの地域独自の方形の図柄を中心的モチーフとした色鮮やな布・チャードルシャブが織られています。

今日は、ギーラーン州のガーセマーバード村のある女性、アッバースプールさんの所に来ています。

彼女はこれまで４０年以上にわたり、チャードルシャブを織る仕事に携わっており、伝統的かつ、非常に美しい色とりどりの製品を生み出してきました。

また、これまでに数多くの人々をこの手工芸のために雇用し、何度も優秀起業家に選ばれています。

―　すみません。今何をしていらっしゃるのですか？

アッバースプールさん：チャードルシャブという布地を織っています。

この布地を織る作業はチャードルシャブ・バーフィーと呼ばれていて、ギーラーン州東部ガーセマ―バード村で行われている手工芸の一種にあたります。

この織機では、テーブルかけや男性用のシャツなどに使われる目が細かめの布地が作られます。

―　この布地の配色は、とても多彩で鮮やかですね。

はい、こちらの布地には、古くから伝わる図柄を織り込んでいます。例えば、今私が身に着けているチャードルシャブ生地は、特別に絹を使ったものですが、デザインは古くからのものです。

絹糸は普通、鮮やかで光沢な色合いになります。

例えば、女性の嫁入り道具用には明るい色が選ばれます。

ギーラーン州の人々は明るい色が好きなのです。

―　図柄は全部古くからのものだということなんですね。図柄には特定のパターンがあるのでしょうか？

そうです。デザインは全て古くから伝わるものです。

この手工芸は、事前に編み図が存在する一般的な絨毯やキリムとは違います。

これは、製作者のその時々の思い付きや発想により作られます。

例えば昔は、野生のヤギを見かけたらその図柄を入れていました。

昔は、自分の周りで見たもの全てを、この布地の図柄として織り込んでいたのです。

―　これまでに、もっと現代的な新しい図案を考えたことはありますか？

新しい図案もあります。例えば、誕生日など何かの節目の時に、その相手の名前が布地に織り込んだりします。

もしくは結婚する女性向けに、お祝いの言葉やデザインの入った布地が作られたりします。

―　布地の表面に文字を織り込むのは大変ですか？

いいえ、私たちは慣れていますので。この織機を使って、布地の表面に浮き出させます。

―　大抵は、アクリル毛糸で布を織るんですか？

そうです。現在はアクリル毛糸を使うことが多く、絹糸は稀で、羊毛でできた糸も使いません。

―　別の質問をさせてください。今着ておられる服はとても色鮮やかですが、この地域の伝統衣装ですか？

そうです。ガーセマ―バード村の衣装で、昔は誰もがこの衣装を着ていました。

ですが、現在では結婚式の際に花嫁に贈り物として渡されます。

現在ではこの衣装を着る機会はわずかで、誕生日やパーティー、結婚式などの儀式の時だけ身に着けるのが普通になっています。

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