8月 07, 2016 14:39 Asia/Tokyo
  • 家族の絆を強めるための効果的な要素(1)

今回は、家族の絆を強めるための効果的な要素について考えてみることにいたしましょう。

絆の強い家庭を築くにはどうしたらよいか、また家庭内の環境を悪くする害悪を遠ざけるにはどうすればよいか、家族の絆を強める上で、配偶者と対等であることは、どれほど影響力があると思われるでしょうか?また、家族の絆を強めるための、モラルの役割とはどのようなことか、といった疑問が提起されています。

 

素晴らしい家庭を築くための指標

温かい家庭で暮らすことを望まない人は、ほとんどいないと言ってよいでしょう。普通、家庭の親密な雰囲気は、家族一人ひとりにプラスの影響をもたらします。家庭の温もりの中で生活し、家族同士の愛情あふれる関係を築くことは、社会的な弊害の多くから、人々を守る下地を作ることになります。

残念ながら今日、家族の絆はいくつもの危機に直面しています。その1つは、離婚や別居の増加です。離散した家庭や、愛がなくなり事実上の離婚状態にある家庭は、多くの危機や問題に瀕しています。言うまでもなく、家庭の崩壊による最大の被害を受けるのは子供であり、その後遺症は子供や社会にまで及びます。

素晴らしい家庭を築く上で、いくつかの基準が紹介されています。家族1人1人がこの基準に合致すればするほど、その家族はより絆が強く、家庭は幸せな素晴らしいものとなります。

 

指標その1-対等なパートナーシップ

夫婦生活を長続きさせるために最も重要な事柄の1つは、行動様式や人格的な特徴において妻と夫が同じレベルにあることです。配偶者の選択に当たっては、妻と夫が似たもの同士であることが極めて注目されており、これは社会学では対等なパートナーシップを呼ばれています。様々な事柄や場面において、妻と夫が対等であることは、必ず考慮されなければなりません。専門家は、宗教信仰やものの考え方、学歴、教養、社会的な立場や経済力などにおいて、夫婦が同じレベルにある方が望ましいと考えています。さらに、年齢的な釣り合いも、家族の絆を強める上で影響を及ぼす要素の1つです。

 

指標その2-道徳的な約束事の遵守

家庭の絆を強める上で影響を及ぼす最も重要な事柄として、まず挙げられるのは夫婦が道徳的な約束事を守ることです。道徳的な決まりごとについて語る上では、いくつかの事柄を考慮する必要があり、夫婦が道徳的な決まりごとを守ることに責任感を感じることが望まれます。

家族の絆を強めるために効果がある要素の1つは、道徳的に優れていることです。道徳的に優れていることの意味は、生活に相応しい行動や協力姿勢、そして他人と折り合い、うまくやってゆけることです。それは、道徳的な原則を守ることが各人をコントロールし、不適切な行動に走らないようにする上で、最も力強い要素だからです。配偶者が誠実さや敬意、寛大さ、柔和な心、公正さといった倫理的な美徳を持っていれば、家庭はきわめて容易に緊張や暴力、対立などから守られるはずです。このため、イスラムは配偶者選びの最も重要な基準として、性格のよさを強調しています。

 

イスラムの伝承にみる性格や行動のよさの重要性

イスラムの伝承には、次のように述べられています。

「ある人が、シーア派8代目イマーム・レザーに宛てた書簡の中で、次のように述べた。“ある男性が、私の娘に結婚を申し込んできました。しかし、その男性は性格がよくありません” これに対し、イマーム・レザーは次のように答えた。“性格の悪い人であれば、その人に娘を嫁がせてはならない”」

イスラムの文献では、家庭内でよい形で振舞うことが奨励されています。聖典コーランは男性に対し、自分の妻に適切に振舞うよう命じています。これについて、神はコーラン第4章、アン・ニサーア章「婦人」、第19節において次のように述べています。

“自分の配偶者に対し、しかるべき善良な態度で接するがよい” また、一部の説明においても、家庭内で正しく振舞うことに対する、精神面での大きな報奨について述べられています。これについて、シーア派6代目イマーム・サーデグは次のように述べています。

“神は、自分と自分の家族との関係をよいものにする人に恩恵を与える”

指標その3-寛大さと献身性

家庭の絆を強めることに影響力のある重要なもう1つの要素は、倫理的に重要な美徳の1つである寛大さと献身です。妻であれ夫であれ、一生のうちに失敗する可能性があります。家庭内の対立の引き金となる要素の1つは、夫婦が互いに相手に対する忍耐力や、相手の過ちを許す寛大さに欠けていることです。

普通、結婚当初の数年間においては、対立は若い夫婦の間の緊張の要因となります。時の経過とともに、夫婦は互いの性格をよりよく認知し、より寛大に見逃し、赦しあうようになります。このため、次第に対立や口論が収まり、優しさや、赦しの精神が優位になってきます。ですから、家庭の絆を強める上で最も効果的なのは、特に配偶者をはじめとする家族に対する寛大さや赦しの精神、忍耐なのです。これについて、イスラムの預言者ムハンマドは次のように述べています。

“赦すことや大目に見ることを、自分の日常生活の習慣に取り入れるがよい。なぜなら、他人を赦すことにより、僕であるあらゆる人間の栄誉や威信につながるからである。これゆえ、神があなたを愛すべき高い位につけるよう、他人を赦すがよい” 

イスラム教徒は、互いの過ちを赦しあうのみならず、互いに厳しい視線を向けないよう心がけているのです。