4月 04, 2018 16:35 Asia/Tokyo
  • イスラムの視点から同性愛の悪影響
    イスラムの視点から同性愛の悪影響

前回は、同性愛の増大という危機の実態と、同性愛が人々や社会にどのような悪影響を及ぼすかについてお話しました。今夜は、イスラムの視点から同性愛の悪影響について考えることにいたしましょう。

 

欧米諸国や、特にブラジルをはじめとする南米諸国での同性愛の歴史をたどると、数年前まで世界の主要な国においては、同性愛が一種の病気と見なされていたことが分かります。現在に至るまでこうした考えを持っている学者の多くの間では、敢えて沈黙を破って同性愛が歴然とした病気であると認める発言をする人々が存在します。

しかし、残念ながら過去10年間において、アメリカをはじめとする世界各国では、同性愛が大々的に宣伝されたため、世界では同性愛を強要しようとしているのではないか、という疑念が沸き起こっています。こうしたムードにおいては、残念ながら同性愛の支持団体の一部は、国連などの国際機関への影響力を持つ西側諸国の政治家の一部の助けにより、完全な欺瞞という形で同性愛をあたかも人類のニーズの1つであるかのように、巧みに偽装しています。

同性愛は、一種の腐敗行為であり、社会的な視点から見て家庭崩壊や子孫の滅亡、社会の腐敗につながります。アフリカ西岸のイスラム教国であるガンビアのヤヒヤ・ジャメ大統領は、国連での演説において、同性愛には他のどのような自然災害よりも多大な危険が潜んでいる、と語っています。彼はまた、最も神に反する人為的な行為と見なされ、かつ現代人を脅かしている3つの危険要素の1つとして同性愛を挙げ、次のように述べています。

「同性愛は、神に反する非人間的な行為であるにもかかわらず、あらゆる形で一部の勢力により人権という名目で広められている」 

ジャメ大統領はさらに、同性愛が人類にとって、他のどの自然災害よりも危険であると見なし、次のように語っています。

「同性愛が、次の世代を生み出す生殖行為でないことから、同性愛を支持する人々は全て、人類の滅亡を助長することになるだろう」

 

前回のこの番組では、同性愛がイスラムで強く忌み嫌われていることについてお話しました。実際に、イスラムの伝承やコーランの節の多くにおいて、同性愛は強く非難されています。特に、コーランは同性愛を不自然な行為であるとし、男女の結婚による家族形態ではなく同性愛により性的、感情的な欲求を満たそうとする人々を、無知で無駄なエネルギーを費やし、邪道に外れた人、そして違反者、犯罪者、さらに暴君と見なしています。例えば、コーラン第26章、シュアラー章、「詩人」第166節では、次のように述べられています。

“そして、あなた方は主があなた方のために創造された配偶者を手放すのか?誠に、あなた方は罪びとである”

宗教の先駆者たちの伝承においても、同性愛という醜悪な行動は大罪とされており、イスラムの預言者ムハンマドは次のように述べています。

“同性愛者が、天国の芳しき香りを感じることはないだろう”

コーランの節やイスラムの伝承の多くは、預言者アブラハムの甥に当たるロト、そしてその一族が同性愛に陥っていたことを示しています。確かに、同性愛は彼らより後の時代にも多少は見られましたが、これは明らかに常軌を逸した不自然な行為と見なされ、全ての宗教において嫌悪されていると言えます。

 

それではなぜ、イスラムは人類に対し、男女の正式な結婚による家族の形成を奨励しているのでしょうか?それは、性的なニーズを満たす上でのイスラムの最も重要な方策は、男性と女性という2つの異性どうしの結婚だからです。イスラムの視点から見た結婚の哲学と真理は、互いに補い合うこと、安らぎを得ること、そして次世代を生み育てることの3つに分類されます。

言うまでもなく、結婚は男女が互いを補完し合うためのものです。人間は決して、単独では完璧ではなく、常に自らの足りないところを補うべく努力しているのです。若者には、思考面での完全な独立を目指し、自分に欠如しているものを補い、また自らの多くのニーズを満たすために結婚が奨励されており、また自分に相応しい配偶者を選ぶことにより、自分が人間的に成長し、完成度を高めるための土台を作ることになります。現代のイランのイスラム学者の1人であるモタッハリー師は、これについて次のように述べています。

「結婚とは、人間がそれまでの自分から脱却して人格を確立するための最初の段階である。結婚して家庭を持つことによりにじみ出てくる成熟さは、他の手段では得られないものである」

このため、結婚は人間が成長を遂げ、完成度を高める源であると言えます。結婚により満たされる最も重要なニーズは、精神的な安らぎや安心感です。これらは、人間の本質に端を発しており、極めて重要なものです。神は、結婚の哲学について次のように述べています。

“神は、多くの節やしるしにおいて、あなた方の中から、一緒にいることで安らぎを得られる配偶者を、あなた方のために置いている” 

このため、配偶者の存在は、男女のいずれにとっても精神面や生活環境の安全や安らぎの源になっているのです。

 

結婚による大きな成果の1つは、子供の存在や世代の存続であり、子孫を残すという行為は決して軽く見られてはなりません。それは、世界が創造された目的が、人間の存在とその育成、そして完成度を高めることにあるからです。善良で健全な人間が次の世代を生み育てることは、創造主なる神の望むものです。イスラムの視点では、健全な子孫の存在は有益であり、この意味においてシーア派の導師であるイマームたちは、結婚の目的を子孫を生み育てることであるとしています。

しかし、同性愛者同士の関係においては、安らぎや人間としての完成、子孫を残すといった、本来の結婚が持つ目的のいずれも達成できません。このため、イスラムを初めとする啓示宗教のいずれにおいても、同性結婚は禁じられています。このことをさらに敷衍すると、同性愛は人間の本質に反する行動であり、人間の本質に反すればするほど、さらなる悪影響をもたらす、ということになります。言うまでもなく、結婚は人間としての本質や理性にそった正しい道を歩むことであり、同性結婚では互いを補完し合うことなく、結婚の本来の目的を損なうことになります。

同性愛者同士の関係は、医学的にも多くの危険を伴うことが証明されています。同性愛が部外で健康的なものであることを裏付ける学説は、まだ出されていません。また、いずれの医学者も、同性愛を奨励しておらず、医学的に矛盾した関係であるとしています。さらに注目すべきことは、エイズや肝炎、梅毒といった感染症やウイルスが、同性愛者の間に広まっていることです。

 

 

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