4月 04, 2018 20:52 Asia/Tokyo

イランのローハーニー大統領が、先週、アゼルバイジャンとトルクメニスタンの大統領の招待を受け、これらの国を訪問しました。

この訪問の主な目的は、民間部門の協力による経済的な可能性の利用でした。トルクメニスタンへの訪問では、アシガバードで、ローハーニー大統領とベルディムハメドフ大統領の立ち合いのもと、両国の高官により、13の協力文書や覚書が調印されました。

 

この文書や覚書の内容は、商業や産業に関する協力、税関の電子情報の交換、貿易合同評議会の設置、農業や空輸に関する認証規格の発行などとなっています。

 

ローハーニー大統領は、アシガバードで行われたイランとトルクメニスタンの代表団による合同会議で演説し、エネルギーやトランジットなど、さまざまな分野のイランとトルクメニスタンの協力に触れ、「イランからトルクメニスタンへの電力移送の第3ラインの稼働開始、カスピ海の石油や天然ガスに関する新たな協力、両国の運輸の拡大に向けたインフラの整備は、イランとトルクメニスタンの経済協力における新たな歩みとなりうる」と語りました。

 

トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領も、「カスピ海沿岸や経済特別区におけるイランとトルクメニスタンの協力は、これまで以上に拡大されるべきだ」と強調しました。

 

ローハーニー大統領は、アゼルバイジャンのバクーを訪問した際にも、8つの協力文書に調印後、記者会見で、イランとアゼルバイジャンは、カスピ海において多くの共通の利益を有しているとし、次のように語りました。

 

「科学、経済、技術、貿易、海運、漁業、観光の分野の協力により、カスピ海の可能性が利用されるべきだ」

 

ローハーニー大統領のバクー訪問では、両国の経済合同会議の実施により、イランとアゼルバイジャンの3つの共同プロジェクトが、ビデオ会議を通して稼働を開始しました。この3つのプロジェクトは、両国のアスタラ間の鉄道路線、イランの自動車メーカー、イランホドローの自動車製造工場、電力施設となっています。

 

アゼルバイジャンの施設におけるイランホドローの生産ラインは、第一段階において、年間生産台数1万台で活動を開始し、この生産能力の拡大により、年間1万5000台まで拡大されます。また、イランとアゼルバイジャンの経済会議に合わせ、両国のアスタラ間の鉄道路線が開通しました。

 

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、これについて、「カスピ海のエネルギーやラシュト・アスタラ間の鉄道といったプロジェクトにおけるイランとアゼルバイジャンの活動は、相互尊重と信頼に基づく両国の関係を、さらに強化している」と強調しました。

 

イランの地域政策とは、すべての近隣諸国との政治・経済関係を拡大することです。この中で、カスピ海の北側の国々との関係を拡大することは、イランにとって特に重要になっています。ローハーニー大統領は、バクーで行われた両国の代表団による合同会議で、イランとアゼルバイジャンの協力の拡大に満足の意を示し、次のように語りました。

 

「ラシュト・アスタラ間の鉄道プロジェクトの実施による北と南を結ぶ移送ルートは、イランとアゼルバイジャンだけでなく、地域諸国、アジアやヨーロッパ、アフリカの国々にとっても、距離が短く安価なルートになり、これは両国の協力が、地域や世界の利益になることを物語っている」

 

イランとアゼルバイジャンの関係は、この4年間で新たな段階に入っています。イランとアゼルバイジャンは、現在まで、150を超える協力文書に調印しており、そのうちこの4年に40の文書が調印されています。

 

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師

 

イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、イラン暦新年のメッセージの中で、新しい年を「イラン製品の支援」の年と名付けました。

 

これは、持続可能な経済成長を実現し、抵抗経済の目標を達成するためのスローガンとなっています。

 

イランは、投資、人材、石油や天然ガスなどのエネルギー資源、原料などの生産の指標の点で強力な下地を有しています。専門的な人材や労働力の点でも、生産力のある活性的な経済にとって、希望の持てる統計を有しています。

 

イランは、15歳から40歳の3300万人の労働力を有しています。これは生産のための大きな資産であり、イランが豊かな経済インフラを整えていることを意味します。経済学者のホシュチェフレ氏は、この数年、国内の生産に関して多くの勧告が行われてきたとし、次のように語っています。

 

「この分野の発展には、さまざまな障害を正確に認識し、生産における問題を解消することが不可欠だ」

 

経済専門家のルーホッラー・イーザドハーフ氏も、最高指導者によって、イラン暦の今年が「イラン製品の支援」の年と名付けられたことに触れ、国内の生産は、世界の国々の経済の柱だとし、次のように語っています。

 

「イランの経済構造における問題を抜け出すには、国内の生産と特に重視する必要がある」

 

イランは、投資の誘致と技術の導入により、さまざまな分野で国内の生産能力を拡大し、イラン製品の質と量の拡大、消費市場におけるイラン製品の競争の拡大、二国間、数か国間の民間部門に経済活動家が参入のための下地を整えることと並行し、非石油製品の増加、雇用と生産の強化に向けて状況を整えていこうとしています。

 

専門家のノウザル・シャフィーイー氏は、問題なのは、各国が競争するとき、シルクロードの東側と西側の両方を最大限に活用できるほど、イランが輸出量を増加せず、このシルクロードが単に外国製品を輸入するためのものとなれば、イランは何の利益も得ないばかりか、損失を蒙ることになることだとしています。ノウザル・シャフィーイー氏は次のように語っています。

 

「重要なのは、シルクロードを、イランのための可能性という点で、製品の輸送と輸出の機会として利用すべきだということだ」

 

新シルクロード構想は、古いシルクロードを復活させ、空、陸、海の点でそれを拡張するためのものとして提示されています。この国際ルートは、100か国と国連を含むと言われており、政治、経済、文化、社会の点で価値のある構想です。イランは、地政学的な状況と、地域における戦略的な地位により、このルートや国際プロジェクトにおいて、特別な役割を担っています。この目標の途上には多くの障害が存在しますが、その展望は明るく希望に満ちたものとなっています。

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