譲歩すればアメ 政府、韓国大統領を異例の厚遇
https://parstoday.ir/ja/news/asia-i112492
韓国のユン・ソクヨル大統領が、16・17日の2日間の日程で来日することが決まりました。政府は、ユン大統領を都内の2軒のレストランに案内するなど、異例の厚遇で迎える予定です。
(last modified 2025-06-22T07:17:28+00:00 )
3月 15, 2023 21:14 Asia/Tokyo
  • 韓国のユン・ソクヨル大統領
    韓国のユン・ソクヨル大統領

韓国のユン・ソクヨル大統領が、16・17日の2日間の日程で来日することが決まりました。政府は、ユン大統領を都内の2軒のレストランに案内するなど、異例の厚遇で迎える予定です。

ユン大統領は16日に来日し、同日夕方、首相官邸で岸田首相と会談する予定です。その後、2人は夕食のため銀座のすき焼き店と洋食店をはしごする行程となっています。

1人の海外の首脳を、一度に2軒の店に案内することは異例のことです。政府関係者によると、ユン大統領がかつて来日した際、銀座で食べたオムライスを気に入ったというエピソードがあることから、この予定に決まったといいます。

にわかに接近したかに見える日韓関係。しかし、その行く末は依然不透明です。

そもそも今回の日韓接近は、いわゆる徴用工問題で、韓国が日本側に大幅に譲歩したことがきっかけです。

韓国政府は、元徴用工被害者らに対し、自らの傘下にある財団から賠償金を支出することを決定し、日本政府にはこれまでの謝罪・反省の意を継承することを求めるだけにとどめました。

日本にとっては、事実上何もしなくていいことになり、満額以上の回答でした。今回のユン大統領への厚遇は、それに対する露骨なアメに他なりません。

しかし、これで徴用工問題が本当に解決し、日韓関係が改善に向かうとはとても言えません。

思い起こされるのは2015年の慰安婦問題に関する日韓合意です。当時の日本の安倍政権と韓国のパク・クネ政権との間で交わされたこの合意では、韓国側が設立する財団に、日本が10億円の資金を拠出し、被害者への賠償に充てることが決まりました。また、安倍首相が慰安婦問題についてお詫びと反省の意をあらためて表明することでも合意し、今回の徴用工問題での合意と似た構造になっています。

しかし、2015年合意は当初から、日本政府による直接の謝罪を求める被害者らが置き去りにされたとして、批判に晒されました。実際、2017年に発足したムン・ジェイン政権は日韓合意の見直しに言及し、日本側が猛反発。現在まで続く日韓関係悪化のきっかけとなりました。

今回の合意は、日本による直接謝罪もなければ、資金の提供もないという、いわば2015年合意以下の内容で、韓国国内から反発が出るのは必至です。

近年の日韓関係を振り返ると、韓国が保守政権になると関係が改善し、革新政権になると歴史問題が再燃し悪化するというサイクルを繰り返してきました。

ユン政権のもとで表面上は日韓関係は改善に向かうように見えますが、韓国国内の被害者をはじめ、市民に不満が溜まれば、将来の政権交代で問題が再び提起されるのは目に見えています。

慰安婦問題でも徴用工問題でも、問題がここまで長引いているのは、日本側が形式的な謝罪・反省を表明しながら、多くの政治家などが問題の否定や植民地支配を美化する言動を繰り返してきたことが原因です。

日本政府が、首相による被害者への直接謝罪から逃げ続ける限り、この問題は永遠に消えません。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem