韓国「北の核実験差し迫る」 核起爆装置の作動試験を探知
韓国大統領府が、北朝鮮の核実験の可能性に関して、「別の場所で核実験を準備するための核起爆装置の作動試験を行っていることを探知した」としました。
韓国・ヨンハプ通信が25日水曜、ソウルから報じたところによりますと、韓国大統領府のキム・テヒョ国家安保室第1次長は同日の記者会見で、北朝鮮の7回目となる核実験の準備動向について、「豊渓里の核実験場の動向を注視している。一両日に核実験が行われる可能性は低いが、その後は十分に可能性がある」と述べました。
その上で「別の場所で核実験を準備するための核起爆装置の作動試験を行っていることを探知した」と明らかにしています。
また、核実験を実施する時期に関しては、「おそらく北の指導者も決定していないと思う」として、「北が望む規模と性能を評価する核実験のための最終準備段階が差し迫っている」と語りました。
さらに、北朝鮮が25日午前6時から同時42分までの間にICBM大陸間弾道ミサイル1発とSRBM短距離弾道ミサイル2発を発射したことについては「核を搭載する性能を改良しようとする意味があると思う」との認識を示しています。
そして、「差し迫っている韓国国内の政治日程に介入しようとする意図ではないかと思う」として、「新政権の安保体制を試そうとする政治的意図も含まれていると思う」と述べました。
また、「韓国と日本訪問を終え、帰国の途に就いたバイデン大統領が自国の領空に入る時点に挑発を行ったのも韓米双方に投げかける戦略的なメッセージ」だとしています。
ジョー・バイデン米大統領今月20日から22日まで韓国を、次いで24日まで日本を訪問していました。
バイデン氏の韓国訪問前、米国と韓国政府は、米大統領のアジア歴訪中にミサイルが発射される可能性があると発表していました。
北朝鮮は、キム総書記とトランプ前米大統領との核・ミサイル軍縮交渉が決裂した後、より精力的なミサイル実験を再開しました。
有識者らは、合同軍事演習を含めた地域でのアメリカの挑発行為が、軍国主義の増大や地域の情勢不安を助長している、と見ています。
一方、北朝鮮は自らの核兵器開発の決定的な理由として、アメリカの挑発行為や地域における米軍の駐留を挙げています。
昨今の北朝鮮の動向から、北朝鮮が核実験を実施するのではないかとの懸念が高まっています。
アメリカを初めとする西側諸国、および北朝鮮の近隣国である日本と韓国は常に、北朝鮮による弾道ミサイル・核実験を懸念しています。